こんにちは、管理人のdoggoです
「どうしてウェルシュコーギーには、しっぽがない子が多いの?」
街で見かける愛らしいウェルシュコーギーの後ろ姿を見て、そう疑問に思ったことはありませんか。
プリっとしたお尻がチャームポイントですが、実はしっぽがないのには様々な背景がありました。
この記事では、多くの飼い主や犬好きが気になるウェルシュコーギーのしっぽの理由について、深く掘り下げて解説していきます。
その歴史を辿ると、牧羊犬として活躍していた時代の話や、意外な税金対策としての側面も見えてくるでしょう。
また、しっぽを切る断尾という習慣は、ヨーロッパの動物愛護に関する法律の観点から、現代の日本でどのように考えられているのでしょうか。
ウェルシュコーギーには、実はペンブロークとカーディガンという2つの種類がいて、その見分け方の一つにしっぽが関係していることも少なくありません。
中には遺伝子的に生まれつきしっぽが短い犬も存在しており、すべてのコーギーが断尾されているわけではないのです。
ペットとして家族に迎える上で知っておきたい、断尾のメリットやデメリット、そしてしっぽの有無が病気や健康に与える影響についても触れていきます。
この記事を読めば、ウェルシュコーギーのしっぽに関するあらゆる疑問が解消されるはずです。
◆このサイトでわかる事◆
- コーギーのしっぽがない歴史的な理由
- 断尾が昔の税金対策だったという説
- 生まれつきしっぽが短いコーギーの存在
- ペンブロークとカーディガンの違い
- 現代の法律と動物愛護の観点
- 断尾を行うメリットとデメリット
- しっぽの有無が健康に与える影響

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歴史的背景から探るウェルシュコーギーのしっぽの理由

◆この章のポイント◆
- しっぽを切る「断尾」という習慣
- 牧羊犬としての歴史が関係
- 税金対策だったという説も
- 病気の予防という迷信もあった
- 生まれつきしっぽが短い子もいる
しっぽを切る「断尾」という習慣
ウェルシュコーギーのしっぽがない理由として最も広く知られているのが、「断尾」という習慣です。
これは、生後間もない子犬のしっぽを、外科的に切除することを指します。
多くの人は、コーギーは生まれつきしっぽがない犬種だと思っているかもしれませんが、実際には断尾によってしっぽのない特徴的なスタイルが作られているケースが非常に多いのです。
断尾は、犬の歴史の中で様々な理由から行われてきました。
特に作業犬として人間と共存してきた犬種において、その作業効率を高めたり、怪我を予防したりする目的で広く実施されてきた背景があります。
例えば、狩猟犬であれば、茂みや藪の中でしっぽが木の枝に引っかかって怪我をするのを防ぐためでした。
番犬であれば、しっぽを掴まれて動きを封じられるのを防ぐため、といった具合です。
コーギーにおける断尾も、このような歴史的な文脈の中で理解する必要があります。
断尾手術は、一般的に麻酔を必要としない生後数日から2週間以内に行われることが多いようです。
この時期の子犬は、まだ神経が完全に発達しておらず、痛みを感じにくいと考えられていたためです。
しかし、近年では動物福祉の観点から、たとえ新生児であっても痛みを感じるという考えが主流となり、断尾に対する見方も大きく変わってきました。
獣医師の間でも、医学的な必要性がない限り断尾を行うべきではないという意見が強くなっています。
このように、ウェルシュコーギーのしっぽがない姿は、自然なものではなく、人間の手によって意図的に作られてきた歴史的な習慣の結果であると言えるでしょう。
もちろん、すべてのコーギーが断尾されているわけではありません。
後述しますが、犬種や国、そしてブリーダーの方針によって、しっぽの有無は異なります。
私たちがコーギーの愛らしいお尻を見るとき、その背景には長い歴史と文化、そして動物福祉を巡る現代的な議論が隠されているのです。
この習慣の是非については、世界中で様々な意見が交わされており、単純に良い悪いと判断できる問題ではありません。
だからこそ、飼い主やこれからコーギーを迎えようと考えている人は、この断尾という習慣について正しい知識を持つことが重要になります。
牧羊犬としての歴史が関係
ウェルシュコーギーのしっぽの理由を語る上で、彼らがもともと牧羊犬であったという歴史は欠かせません。
特に「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」は、イギリスのウェールズ地方で、牛を追う牧牛犬として活躍していました。
彼らは体高が低いことを活かして、牛の足元を駆け抜け、かかとに噛みつくようにして牛の群れを誘導していたのです。
このようなワーキングドッグとしての役割が、断尾の習慣と深く結びついています。
牛の群れの中で働く際、長いしっぽは牛に踏まれて大怪我をするリスクがありました。
しっぽの骨は複雑で、一度骨折すると治りにくく、感染症を引き起こす可能性も高まります。
また、牛に蹴られたり、牧場の柵や茂みにしっぽが引っかかったりする危険性も考えられたでしょう。
当時の牧場主にとって、犬は大切な労働力であり、財産でした。
犬が怪我で働けなくなってしまうことは、経済的な損失に直結します。
そのため、将来起こりうる事故を未然に防ぐという実用的な目的から、子犬のうちにしっぽを切る断尾が広く行われるようになったと考えられています。
これは、コーギーに限らず、オーストラリアン・シェパードやオールド・イングリッシュ・シープドッグなど、他の牧羊犬にも見られた習慣です。
彼らの仕事の性質上、しっぽは邪魔であり、危険な部位だと見なされていたわけです。
現代の日本では、コーギーが牧羊犬として働く姿を見る機会はほとんどありません。
多くは家庭犬として、私たちの生活に癒やしを与えてくれる存在となっています。
そのため、牧羊犬時代の名残である断尾の必要性については、改めて考える時期に来ているのかもしれません。
かつては作業上の安全確保という明確な目的があった断尾も、現代のペットとしての生活においては、その意味合いが大きく変化しています。
しかし、ドッグショーなどでは、犬種標準(スタンダード)として断尾された姿が求められることもあり、問題は単純ではありません。
コーギーの歴史を理解することは、なぜ彼らが今の姿になったのかを知る上で非常に重要な鍵となります。
彼らの短いしっぽは、懸命に働いてきた祖先たちの誇りの証でもあるのかもしれませんね。
税金対策だったという説も
ウェルシュコーギーの断尾の理由として、非常に興味深い説の一つに「税金対策」が挙げられます。
これは、かつてのイギリスで、しっぽのある犬(特に狩猟犬や愛玩犬)に税金が課せられていた時代があったことに関係しています。
一方で、牧羊犬などの作業犬は、人間の仕事を助ける重要な存在と見なされ、課税対象から免除されていました。
この時代、作業犬であることの証明として「断尾されていること」が求められたというのです。
つまり、しっぽを切ることで「この犬は家庭で可愛がるペットではなく、仕事をするための犬です」という目印になり、税金を逃れることができたというわけです。
この説は、特に18世紀頃のイギリスの歴史的背景と結びついて語られることが多いようです。
当時の税制が、犬の身体的な特徴にまで影響を与えていたと考えると、非常に面白い話だと言えるでしょう。
飼い主たちは、経済的な負担を避けるために、愛犬のしっぽを切るという選択をしていたのかもしれません。
もちろん、これが断尾の唯一の理由であったわけではなく、前述したような作業中の怪我防止という実用的な目的と複合的に絡み合っていたと考えられます。
しかし、税金という経済的なインセンティブが、断尾という習慣を広く普及させる一因となった可能性は十分に考えられます。
この「税金対策説」は、犬と人間の関係が、単なる愛情やパートナーシップだけでなく、その時代の社会制度や経済状況にも大きく左右されてきたことを示唆しています。
犬の姿形が、人間の作ったルールによって変えられてきたという事実は、私たちに多くのことを考えさせるでしょう。
現代では、このような理由で断尾が行われることはまずありません。
税金の制度も変わり、犬の所有に関する考え方も大きく進化しました。
しかし、ウェルシュコーギーの短いしっぽの背景に、かつての飼い主たちのささやかな抵抗や生活の知恵が隠されていたかもしれないと想像すると、彼らの歴史がより一層興味深く感じられます。
この説の真偽を完全に証明することは難しいかもしれませんが、ウェルシュコーギーのしっぽの理由を巡る多様な物語の一つとして、記憶しておく価値はあるでしょう。
病気の予防という迷信もあった
ウェルシュコーギーのしっぽが断尾される理由として、過去には「病気の予防」という、現在では科学的根拠が乏しいとされる考え方も存在しました。
その中でも特に広く信じられていたのが、「狂犬病の予防」です。
狂犬病は、発症すると致死率がほぼ100%という非常に恐ろしい感染症であり、かつては世界中で猛威を振るっていました。
その原因や感染経路がまだ十分に解明されていなかった時代、人々は様々な方法でこの病気から身を守ろうとしました。
古代ローマの時代には、「しっぽに狂犬病を引き起こす虫や神経が宿っている」と信じられており、しっぽを切ることで狂犬病を予防できると考えられていたのです。
もちろん、現代の獣医学では、狂犬病ウイルスは主に唾液を介して、噛まれた傷口から体内に侵入することが分かっています。
しっぽの有無と狂犬病の感染には、何ら因果関係はありません。
しかし、科学的な知識が限られていた時代において、人々が藁にもすがる思いでこのような迷信を信じていたことは、想像に難くありません。
また、狂犬病以外にも、しっぽが不衛生になりやすく、皮膚病や感染症の原因になるという考え方もあったようです。
長いしっぽは、排泄物で汚れやすく、それが原因で細菌が繁殖するという見方です。
確かに、しっぽを清潔に保つことは重要ですが、それが断尾を正当化するほどの理由になるかというと、疑問が残ります。
適切なグルーミングやケアを行えば、十分に衛生状態を保つことは可能です。
これらの病気予防説は、現代の視点から見れば迷信や誤解に基づいたものと言わざるを得ません。
しかし、当時は真剣に信じられ、犬の健康を守るための善意から断尾が行われていた側面もあったのでしょう。
このように、ウェルシュコーギーの断尾の背景には、実用的な理由や経済的な理由だけでなく、当時の人々の医学知識や衛生観念も反映されていたことがわかります。
科学の進歩とともに、過去の習慣が見直されていくのは自然な流れです。
病気予防を目的とした断尾は、その典型的な例と言えるでしょう。
現代の私たちが犬の健康を考える上では、正しい知識に基づいた判断が求められます。
生まれつきしっぽが短い子もいる
これまでウェルシュコーギーのしっぽがない理由として断尾の歴史を解説してきましたが、実はすべてのコーギーが断尾によってしっぽを失っているわけではありません。
中には、遺伝的に、生まれつきしっぽが非常に短い、あるいは全くない個体が存在します。
これは「ナチュラルボブテイル(Natural Bobtail)」と呼ばれ、特定の遺伝子変異によって引き起こされる自然な特徴です。
この遺伝子は、特にウェルシュ・コーギー・ペンブロークの犬種で比較的よく見られます。
ナチュラルボブテイルのしっぽの長さは様々で、完全な無尾から、数センチ程度の短い切り株のようなしっぽまで個体差があります。
断尾されたしっぽは、切断面が平らで直線的になることが多いのに対し、ナチュラルボブテイルのしっぽは先端が丸みを帯びており、自然な形状をしているのが特徴です。
よく観察すれば、両者の違いを見分けることも可能かもしれません。
このボブテイル遺伝子は優性遺伝であり、片方の親からこの遺伝子を受け継ぐだけで、子犬は短いしっぽを持って生まれる可能性があります。
しかし、この遺伝子を両親から受け継いでホモ接合体となった場合、致死遺伝子として働き、胎児が子宮内で死亡してしまう、あるいは生まれても深刻な健康問題を抱えるリスクがあることが知られています。
そのため、ブリーダーはボブテイル同士の交配を避けるなど、慎重な繁殖計画を立てる必要があります。
したがって、しっぽのないコーギーを見かけたとき、その子が断尾されたのか、それとも生まれつき短いのかを、外見だけで断定することはできません。
近年、動物愛護の観点から断尾を行わないブリーダーが増える中で、このナチュラルボブテイルの血統を意図的に選択し、繁殖に取り入れる動きも見られます。
断尾という外科的な処置を経ずに、犬種標準に近い「しっぽのないスタイル」を実現できるため、一つの解決策として注目されているのです。
ウェルシュコーギーのしっぽの理由を考える際には、このような遺伝的な側面も理解しておくことが大切です。
断尾という人為的な習慣だけでなく、自然界の多様性も、彼らのユニークな外見を作り出す要因となっているのです。
もしあなたの愛犬のコーギーにしっぽがない場合、血統書などを確認すれば、その子がナチュラルボブテイルであるかどうかを知ることができるかもしれません。
現代におけるウェルシュコーギーのしっぽの理由とは
◆この章のポイント◆
- 主流のペンブロークとしっぽ
- カーディガンとの簡単な見分け方
- 動物愛護から見る断尾の法律
- 断尾するメリットとデメリット
- 尻尾の有無による健康への影響
- ウェルシュコーギーのしっぽの理由のまとめ
主流のペンブロークとしっぽ
日本で「ウェルシュコーギー」として一般的に認識されているのは、そのほとんどが「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」という犬種です。
彼らは、イギリスのエリザベス女王の愛犬としても世界的に有名になり、その愛らしい容姿と明るい性格で、日本でも絶大な人気を誇っています。
そして、このペンブロークこそが、伝統的に断尾が行われてきた犬種なのです。
ジャパンケネルクラブ(JKC)が定めるペンブロークの犬種標準(スタンダード)においても、しっぽは「短いことが望ましい」とされており、断尾された姿が一般的と見なされてきました。
ドッグショーなどに出場する個体は、このスタンダードに沿って、現在でも断尾が行われていることが少なくありません。
ブリーダーは、生まれてくる子犬が将来ドッグショーで活躍することや、伝統的な犬種のスタイルを維持することを考慮して、断尾を選択することがあります。
しかし、これはあくまで犬種標準上の話であり、ペットとして家庭で飼育する上で断尾が義務付けられているわけではありません。
近年では、動物愛護への意識の高まりから、家庭犬として販売されるペンブロークについては、断尾をせずに、ありのままの長いしっぽを持つ子が増えてきています。
ペットショップやブリーダーのウェブサイトを見ても、「断尾していません」「しっぽありのコーギーです」といった記載を目にする機会が多くなりました。
長いしっぽをフリフリと振るペンブロークの姿も、徐々に一般的になりつつあるのです。
しっぽのあるペンブロークは、感情表現がより豊かに見えるという魅力があります。
嬉しい時には全身でしっぽを振り、不安な時にはしっぽを下げて股の間に挟むなど、しっぽを使ったコミュニケーションは、飼い主との絆をより深めてくれるでしょう。
もともとペンブロークはキツネに似た顔立ちをしていると言われますが、ふさふさの長いしっぽを持つ姿は、より一層キツネらしい愛嬌を感じさせます。
このように、主流であるペンブロークのしっぽ事情は、今まさに過渡期にあると言えます。
伝統的なスタイルを重んじる考え方と、動物福祉を優先する考え方が共存しており、消費者の選択肢も多様化しています。
これからペンブロークを迎えたいと考えている人は、断尾された子としっぽのある子の両方の可能性を視野に入れ、それぞれの特徴を理解した上で、自分のライフスタイルや考えに合った子を選ぶことが大切です。
カーディガンとの簡単な見分け方
ウェルシュコーギーには、実はペンブロークの他にもう一種類、「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」という犬種が存在することをご存知でしょうか。
両者は非常に近い親戚であり、見た目もよく似ていますが、いくつかの明確な違いがあります。
そして、その最も分かりやすい見分け方の一つが「しっぽの有無」なのです。
カーディガンは、伝統的に断尾される習慣がありません。
そのため、ほとんどのカーディガンは、キツネのように長くてふさふさとしたしっぽを持っています。
これは、カーディガンの犬種標準(スタンダード)でも「長く、胴体とのバランスが取れていること」と定められており、しっぽは彼らの重要な身体的特徴の一部とされています。
したがって、もし街で長いしっぽを持つコーギーを見かけたら、それは断尾されていないペンブロークか、あるいはカーディガンである可能性が高いと言えるでしょう。
しっぽ以外にも、両者を見分けるためのポイントがいくつかあります。
- 耳の形:ペンブロークの耳は先が尖り気味で、顔が正三角形に近い形をしています。一方、カーディガンの耳はより大きく、先端が丸みを帯びています。
- 体の大きさ:一般的に、カーディガンの方がペンブロークよりも一回り大きく、骨太でがっしりとした体格をしています。
- 足の形:ペンブロークの前足は比較的まっすぐですが、カーディガンの前足は少し外向き(O脚気味)になっています。これは、彼らの祖先がダックスフントに近い犬種であった名残とされています。
- 毛色:ペンブロークはレッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンなどが主ですが、カーディガンはそれに加えてブリンドル(虎毛)やブルーマールといった多彩な毛色が認められています。
これらの特徴を総合的に見ることで、ペンブロークとカーディガンをより正確に見分けることができます。
性格にも若干の違いがあると言われ、ペンブロークはより社交的で活発、カーディガンは少し落ち着いていて思慮深い傾向があるとされますが、もちろん個体差は大きいです。
日本ではペンブロークの人気が圧倒的に高く、カーディガンは比較的希少な犬種です。
しかし、その落ち着いた性格や個性的な魅力から、熱心な愛好家も少なくありません。
コーギーのしっぽの理由を探る旅は、このように、知られざるもう一種類のコーギー、カーディガンの存在へと私たちを導いてくれます。
動物愛護から見る断尾の法律
現代において、ウェルシュコーギーの断尾を考える上で避けて通れないのが、動物愛護(アニマルウェルフェア)の観点と、それに関連する法律の問題です。
かつては実用的な目的で行われていた断尾も、犬が主にコンパニオンアニマルとなった現代では、その必要性に大きな疑問が投げかけられています。
特にヨーロッパ諸国では、動物福祉に対する意識が非常に高く、多くの国で獣医学的な治療目的以外の断尾は法律で禁止されています。
例えば、イギリス、ドイツ、フランス、スイス、オーストラリアなど、多くの国々が美容目的や伝統的な理由での断尾を違法としています。
これらの国では、「動物に不必要な苦痛を与えるべきではない」という考え方が社会の共通認識となっており、犬の身体的な完全性を尊重するべきだという思想が根付いています。
違反した場合は、獣医師やブリーダーが罰せられることもあります。
では、日本の状況はどうでしょうか。
現在の日本の「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」には、断尾を明確に禁止する条文はありません。
そのため、日本国内で断尾を行うこと自体は、直ちに違法となるわけではないのが現状です。
しかし、法律で禁止されていないからといって、無条件に許容されるべき行為というわけでもありません。
近年、日本でも獣医師会などを中心に、美容目的の断尾や断耳(耳を切ること)に対して、倫理的な観点から反対する声が大きくなっています。
日本獣医師会は「犬の断尾・断耳等に関する指針」の中で、「アニマルウェルフェアの観点から、疾病の治療等の獣医学的な必要性がある場合を除き、専ら美容を目的とした犬の断尾・断耳は行わないこととする」という方針を明確に示しています。
これは法的な拘束力を持つものではありませんが、専門家集団としての公式な見解であり、社会的な影響力は大きいと言えるでしょう。
このような国内外の流れを受けて、日本のブリーダーや飼い主の間でも、断尾に対する考え方は少しずつ変化しています。
前述の通り、断尾をしないブリーダーが増え、しっぽのあるコーギーが市場に出回ることも珍しくなくなりました。
消費者が「しっぽのある子を迎えたい」と希望することも、この流れを後押ししています。
ウェルシュコーギーのしっぽの理由は、もはや単なる歴史や習慣の問題ではなく、動物と人間がどう向き合っていくべきかという、現代的な倫理観を問うテーマとなっているのです。
断尾するメリットとデメリット
ウェルシュコーギーの断尾について、その是非を判断するためには、メリットとデメリットの両方を客観的に理解することが重要です。
ここでは、それぞれの側面を整理して見ていきましょう。
断尾のメリット
まず、メリットとして挙げられるのは、伝統的に主張されてきた内容です。
- 怪我の予防:牧羊犬として働いていた時代のように、しっぽを踏まれたり、物に引っ掛けたりして怪我をするリスクを低減できます。現代の家庭犬としての生活ではそのリスクは低いものの、非常に活発な個体や、複雑な環境で飼育する場合には、考慮されることがあります。
- 衛生面の維持:長いしっぽは排泄物で汚れやすく、特に長毛の個体では衛生管理に手間がかかる場合があります。断尾することで、お尻周りを清潔に保ちやすくなるという意見です。
- 犬種標準(スタンダード)に沿う:ドッグショーへの出場を考えている場合など、犬種標準で短いしっぽが求められる場合に、その基準を満たすことができます。
これらのメリットは、特定の目的や状況下においては意味を持つかもしれませんが、一般的な家庭犬にとっては、その必要性は低いと考える人が増えています。
断尾のデメリット
次に、デメリットについてです。こちらは動物愛護の観点から、近年特に重視されています。
- 子犬への痛みとストレス:麻酔なしで行われることが多い新生児期の断尾ですが、痛みを感じないわけではないという指摘がされています。子犬にとって大きな身体的、精神的ストレスとなる可能性があります。
- コミュニケーション手段の喪失:犬にとってしっぽは、感情を表現し、他の犬とコミュニケーションをとるための重要なツールです。しっぽを失うことで、その表現力が制限され、他の犬との円滑な関係構築に影響が出る可能性があります。
- バランス能力への影響:しっぽは、走ったり、急な方向転換をしたりする際に、体のバランスを取るための役割も担っています。断尾がその能力にどの程度影響するかは議論がありますが、全く無関係ではないと考えられています。
- 倫理的な問題:獣医学的な必要性なく、人間の都合(美容や伝統)のために犬の体の一部を切除すること自体が、倫理的に問題があるという考え方です。
このように、メリットとデメリットを比較すると、現代のペットとしてのコーギーにとっては、デメリットの方が大きいと考える人が多いのが実情です。
最終的にどのような選択をするかは、ブリーダーや飼い主の価値観に委ねられますが、判断を下す前に、これらの情報を十分に理解しておくことが不可欠です。
尻尾の有無による健康への影響
ウェルシュコーギーのしっぽの有無が、彼らの健康にどのような影響を与えるのかは、飼い主にとって非常に気になるところでしょう。
結論から言うと、しっぽがないこと自体が、直接的に深刻な病気や寿命の短縮につながるという明確な科学的証拠は、現在のところほとんどありません。
断尾された多くのコーギーも、しっぽのあるコーギーと同様に、健康で幸せな一生を送っています。
しかし、全く影響がないわけではなく、いくつかの点で考慮すべきポイントが存在します。
一つは、前述の「コミュニケーション」と「バランス」の問題です。
これらは直接的な病気ではありませんが、犬のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に関わる重要な要素です。
しっぽで感情を伝えられないもどかしさや、他の犬との間に生じる誤解は、犬にとってストレスの原因になる可能性があります。
また、ドッグスポーツなど、高い身体能力が求められる活動においては、しっぽによるバランス補助の有無がパフォーマンスに影響を与える可能性も指摘されています。
もう一つ、稀なケースですが、断尾手術に起因する健康問題も報告されています。
手術が適切に行われなかった場合、切断面に神経腫(神経の断端にできる良性の腫瘍)が形成され、慢性的な痛みや違和感を引き起こすことがあります。
犬がしきりにお尻を気にしたり、座るのを嫌がったりするような行動が見られる場合は、注意が必要かもしれません。
また、しっぽがないことで、肛門周辺の筋肉の働きが弱まり、将来的に便失禁などを起こしやすくなるという説もありますが、これについてはまだ十分な研究がなされていません。
一方で、生まれつきしっぽが短いナチュラルボブテイルの場合は、注意が必要です。
ボブテイルを引き起こす遺伝子は、ホモ接合(両親から遺伝子を受け継ぐ)の場合、脊椎の深刻な奇形(二分脊椎など)を伴うことがあります。
これにより、後脚の麻痺や排泄のコントロールが困難になるなどの重篤な症状が現れることがあります。
信頼できるブリーダーは、このようなリスクを避けるために、遺伝子レベルで慎重な交配管理を行っています。
総じて言えば、適切に断尾された、あるいはヘテロ接合(片親から遺伝子を受け継ぐ)のナチュラルボブテイルのコーギーであれば、しっぽがないことが健康上の大きなハンデになることは少ないと考えられます。
しかし、犬本来の身体機能やコミュニケーション能力を尊重するという観点からは、やはり自然なままのしっぽを持つことの意義は大きいと言えるでしょう。
ウェルシュコーギーのしっぽの理由のまとめ
この記事では、多くの人が抱くウェルシュコーギーのしっぽの理由についての疑問に、様々な角度からお答えしてきました。
歴史的背景から現代の価値観まで、その理由は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがお分かりいただけたかと思います。
最後に、この記事の要点を改めて整理し、ウェルシュコーギーのしっぽの理由についての理解を深めていきましょう。
まず、最も大きな理由として、牧羊犬として働いていた歴史の中で、牛に踏まれたりする怪我を防ぐという実用的な目的から「断尾」が行われてきたことが挙げられます。
また、かつてのイギリスでは、作業犬の証明として断尾することで税金が免除されたという「税金対策説」や、狂犬病を予防できるといった「迷信」も、断尾という習慣を後押ししたと考えられています。
しかし、全てのコーギーが断尾されているわけではなく、遺伝的に生まれつきしっぽが短い「ナチュラルボブテイル」の個体も存在します。
現代において、私たちがよく目にするコーギーは、ほとんどが「ペンブローク」という犬種であり、この犬種が伝統的に断尾の対象とされてきました。
一方で、もう一種の「カーディガン」は断尾されず、長いしっぽを持っているのが特徴で、両者の簡単な見分け方にもなります。
近年、ヨーロッパを中心に動物愛護の観点から断尾を禁止する法律が整備され、日本でも獣医師会が非推奨の立場を示すなど、断尾に対する考え方は大きく変化しています。
断尾のデメリットとして、子犬への苦痛やコミュニケーション手段の喪失などが指摘されるようになり、しっぽのあるコーギーも増えてきました。
しっぽの有無が直接的な健康問題に繋がることは少ないものの、犬本来の機能やQOLを考えると、自然な姿を尊重する流れは今後も加速していくでしょう。
これからコーギーを家族として迎えようと考えている方は、これらの背景を十分に理解し、断尾されている子、しっぽのある子、それぞれの魅力と特徴を踏まえた上で、ご自身の考えに合った選択をすることが大切です。
コーギーの愛らしいお尻に隠された物語を知ることで、彼らへの愛情がさらに深まることを願っています。
本日のまとめ
- コーギーのしっぽがない主な理由は歴史的な「断尾」の習慣
- 牧羊犬時代に牛から踏まれる怪我を防ぐ目的があった
- 昔のイギリスで作業犬の証として税金対策になった説もある
- 狂犬病予防など科学的根拠のない迷信も理由とされた時代があった
- 遺伝的に生まれつきしっぽが短い「ナチュラルボブテイル」もいる
- 日本で主流の「ペンブローク」が主に断尾の対象だった
- もう一種の「カーディガン」は断尾せず長いしっぽが特徴
- しっぽの有無はペンブロークとカーディガンの見分け方の一つ
- ヨーロッパの多くの国では動物愛護法で断尾が禁止されている
- 現在の日本では法律で禁止されていないが獣医師会は非推奨
- 断尾のデメリットは痛みやコミュニケーション手段の喪失
- しっぽがないことによる直接的な健康リスクは低いとされる
- 近年は断尾をしないブリーダーが増えしっぽのあるコーギーも人気
- しっぽの有無を選ぶ際は歴史的背景と現代の価値観の理解が重要
- 最終的なウェルシュコーギーのしっぽの理由は複合的である

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参考サイト
https://breeder-navi.jp/column/knowledge/k-corgi-tail/
https://pet-osohshiki.com/column/corgi_tail/
https://www.pet-coo.com/column/corgi-tail/
https://hometrimer.com/corgi-tail/
https://wancolab.com/dog-tail-cutting/


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