こんにちは、管理人のdoggoです
愛犬が年を重ね、シニア期を迎えるのは喜ばしいことですが、これまでとは違う行動に戸惑う飼い主さんも少なくありません。
特に、老犬が夜寝ないでウロウロと徘徊する姿を見ると、「どうしてしまったのだろう」「何か苦しいのかな」と心配になりますよね。
夜中に何度も起こされることで、飼い主さん自身の睡眠不足やストレスにつながることもあるでしょう。
しかし、その行動には必ず理由があります。
老犬が夜寝ないでウロウロという行動の背景には、認知症の始まりや何らかの病気、あるいは精神的なストレスや生活環境の変化が隠れている可能性があります。
また、単純に昼夜逆転してしまっているケースや、飼い主に対して何かを伝えようとしているサインかもしれません。
この記事では、老犬が夜に寝ないでウロウロしてしまう主な原因を掘り下げ、ご家庭ですぐに実践できる対策を具体的に解説していきます。
まずは原因を正しく理解し、愛犬の状態に合った適切なケアを見つけることが重要です。
動物病院へ相談するタイミングや、愛犬が安心して過ごせる環境の整え方、さらにはサプリメントの活用法や飼い主だからこそできる心のケアまで、幅広くご紹介します。
この記事を最後まで読めば、愛犬の行動への理解が深まり、具体的な解決策のヒントが見つかるはずです。
大切な家族である愛犬と、穏やかな夜を取り戻すための一歩を一緒に踏み出しましょう。
◆このサイトでわかる事◆
- 老犬が夜にウロウロする行動の主な5つの原因
- 認知症（犬の認知機能不全症候群）の具体的な症状
- 夜間の徘徊を引き起こす可能性のある体の病気
- 飼い主がすぐに実践できる具体的な対策5選
- 動物病院に相談するべきタイミングと伝え方
- 老犬が安心して過ごせる安全な環境の作り方
- 愛犬と飼い主の心身の負担を軽減するヒント
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老犬が夜寝ないでウロウロする5つの原因
愛しい老犬が夜中に眠らず、心配そうに室内を歩き回る姿は、飼い主にとって大きな悩みの種となります。
この行動は単なる夜更かしではなく、愛犬が発している重要なサインかもしれません。
ここでは、老犬が夜寝ないでウロウロする行動の背景にある5つの主要な原因を詳しく解説します。
原因を理解することが、適切な対策への第一歩となります。
◆この章のポイント◆
- 認知症の可能性を考える
- 考えられる体の病気とは
- 精神的なストレスも影響する
- 昼夜逆転している生活リズム
- 要求や不快感を伝えるため
認知症の可能性を考える
老犬が夜寝ないでウロウロする原因として、まず考えられるのが「犬の認知機能不全症候群（CDS）」、いわゆる認知症です。
人間と同じように、犬も高齢になると脳の機能が低下し、認知症を発症することがあります。
夜間の徘徊は、この認知症の代表的な症状の一つとして知られています。
犬の認知症は、脳の老化に伴う神経細胞の損傷や萎縮によって引き起こされると考えられています。
これにより、記憶力、学習能力、空間認識能力などが低下し、様々な行動変化が現れるのです。
夜中に目的もなくウロウロと歩き続けるのは、自分がどこにいるのか、何をしようとしていたのかが分からなくなる「見当識障害」が原因である可能性が高いでしょう。
また、昼と夜の区別がつかなくなり、睡眠リズムが乱れることも、夜間の活動を助長します。
認知症の症状は夜間の徘徊だけではありません。
以下のような症状が見られる場合は、認知症の可能性を疑ってみる必要があります。
- 飼い主を認識できない、または反応が鈍くなる
- トイレの失敗が増える
- 狭い場所に入り込んで動けなくなる
- 理由もなく吠え続ける、特に夜鳴きがひどくなる
- 食欲や活動量の異常な増減
- これまで興味を示していたことに関心を示さなくなる
これらの症状は、他の病気と見分けるのが難しい場合もあります。
例えば、トイレの失敗は腎臓病のサインかもしれませんし、活動量の低下は関節炎が原因かもしれません。
そのため、自己判断は禁物です。
愛犬に認知症を疑うような行動が見られたら、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談することが何よりも重要です。
獣医師は、他の病気の可能性を排除しながら、認知症の診断を下してくれます。
そして、進行を遅らせるための薬やサプリメント、生活環境の改善など、具体的なアドバイスを提供してくれるでしょう。
早期に発見し、適切なケアを始めることで、愛犬と飼い主の負担を軽減し、穏やかな時間を長く保つことにつながります。
考えられる体の病気とは
老犬が夜寝ないでウロウロするのは、認知症だけでなく、体のどこかに痛みや不快感があるサインかもしれません。
犬は人間のように言葉で不調を訴えることができないため、落ち着きなく歩き回るという行動でSOSを発している可能性があります。
特に夜間は、周囲が静かになることで体の不快感がより一層強く感じられることがあります。
まず考えられるのが、関節炎や椎間板ヘルニアといった骨や関節の病気です。
高齢になると、多くの犬が関節の痛みに悩まされます。
同じ姿勢で寝ていると関節がこわばって痛むため、楽な体勢を探してウロウ
ロと歩き回ることがあります。
また、視力や聴力の低下も、夜間の不安を増大させ、徘徊の原因となります。
目が見えにくくなると、暗闇の中で家具にぶつかったり、方向が分からなくなったりしてパニックに陥ることがあります。
耳が聞こえにくいと、飼い主の声が届かずに不安を感じたり、逆に小さな物音に過剰に驚いたりして落ち着きをなくすことも考えられます。
さらに、内臓疾患も原因となることがあります。
- 頻尿や残尿感を引き起こす泌尿器系の病気（膀胱炎、腎臓病など）
- 腹痛や吐き気を伴う消化器系の病気
- 咳や呼吸困難を引き起こす心臓や呼吸器の病気
- ホルモンバランスの乱れによるクッシング症候群など
これらの病気は、犬に持続的な不快感を与え、安眠を妨げます。
トイレに行きたいけれど上手く排泄できない、気持ちが悪くて横になれない、息苦しくて眠れないといった状況が、夜間のウロウロにつながるのです。
その他、脳腫瘍やてんかんなどの神経系の病気も、異常行動の原因となる可能性があります。
これらの病気は、徘徊以外にも、食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢、多飲多尿など、他の症状を伴うことがほとんどです。
愛犬の様子を日頃からよく観察し、夜間の行動だけでなく、他に変わった点がないかを確認することが大切です。
もし、体を触ると痛がる、歩き方がおかしい、食欲や飲水量が変化したなどのサインが見られた場合は、速やかに動物病院を受診してください。
適切な治療によって痛みや不快感を取り除いてあげることで、夜間の徘徊が劇的に改善されるケースも少なくありません。
精神的なストレスも影響する
老犬が夜寝ないでウロウロする行動は、身体的な問題だけでなく、精神的なストレスや不安が原因となっていることも少なくありません。
犬は環境の変化に敏感な動物であり、高齢になるとその傾向はさらに強まります。
若い頃は何ともなかったような些細なことが、シニア犬にとっては大きなストレスとなり、心の安定を乱す原因になるのです。
最も一般的な原因の一つが「分離不安」です。
加齢に伴い視力や聴力が衰えると、犬は周囲の状況を把握しにくくなり、不安を感じやすくなります。
その結果、信頼する飼い主への依存度が高まり、少しでも姿が見えないとパニックになってしまうことがあります。
夜、飼い主が寝室に行ってしまい、独りぼっちになったと感じることで強い不安に襲われ、飼い主を探してウロウロと歩き回るのです。
また、生活環境の変化も大きなストレス要因です。
例えば、引っ越し、家族構成の変化（新しい家族が増えた、子供が独立したなど）、新しいペットを迎えた、飼い主の生活リズムの変更（転職や働き方の変化など）といった出来事は、犬にとって大きな混乱を招きます。
自分の縄張りや日常のルーティンが崩れることへの不安が、夜間の不眠や徘徊といった形で現れることがあります。
さらに、雷や花火、工事の音といった大きな物音も、特に聴覚が過敏になっている老犬にとっては恐怖の対象です。
過去に怖い思いをした経験がトラウマとなり、似たような音を聞くと落ち着きをなくしてしまうこともあります。
これらのストレスサインを見逃さないためには、日中の愛犬の様子にも注意を払うことが重要です。
飼い主の後をずっとついて回る、体を過剰に舐め続ける、震えている、食欲がないといった行動は、ストレスを抱えているサインかもしれません。
愛犬が何に不安を感じているのかを突き止め、その原因をできるだけ取り除いてあげることが解決への近道です。
例えば、寝る場所を飼い主のそばに移動させる、安心できる自分だけの狭いスペース（クレートなど）を用意する、日中のコミュニケーションを増やして安心感を与えるといった工夫が有効です。
ストレスが原因の場合、飼い主の愛情と配慮が何よりの薬となります。
昼夜逆転している生活リズム
老犬が夜寝ないでウロウロする、一見複雑に見えるこの行動の背景には、単純に「昼夜逆転」という生活リズムの乱れが隠れていることがあります。
犬も高齢になると、人間と同様に体力が低下し、日中の活動量が自然と減少します。
若い頃のように長時間の散歩に行ったり、元気に走り回ったりすることが少なくなり、必然的に日中に寝て過ごす時間が長くなります。
日中にたっぷりと睡眠をとってしまうと、当然ながら夜に眠れなくなります。
体力が有り余っているため、夜になると目が覚めてしまい、時間を持て余して室内をウロウロと歩き回ってしまうのです。
この昼夜逆転は、特に認知症の初期症状として現れることもありますが、認知症でなくても、加齢による生活パターンの変化だけで十分に起こり得ます。
昼夜逆転を招く要因としては、以下のようなものが考えられます。
- 日中の刺激不足：飼い主が仕事で留守番の時間が長い、散歩の時間が短い、遊び相手がいないなど、日中に心身を使う機会が少ない。
- 不適切な睡眠環境：日中、リビングなど明るく騒がしい場所で寝ているため、深い睡眠がとれず、結果的にだらだらと長時間寝てしまう。
- 運動不足：関節の痛みなどを理由に散歩を控えすぎていると、適度な疲労感が得られず、夜の寝つきが悪くなる。
この問題を解決するためには、意識的に生活リズムを整え直してあげることが重要です。
まずは、朝日を浴びさせることから始めましょう。
朝になったらカーテンを開け、太陽の光を浴びさせて体内時計をリセットさせます。
日中は、できるだけ寝かせすぎないように工夫が必要です。
無理のない範囲で散歩に連れて行ったり、室内で簡単なノーズワーク（おやつ探しゲーム）をしたりして、五感を刺激し、適度な疲れを与えてあげましょう。
短い時間でも、飼い主とのコミュニケーションは犬にとって大きな刺激となります。
ポイントは、日中に適度な活動を促し、夜にぐっすり眠るための土台を作ってあげることです。
散歩の時間を朝や日中に設定し、夜は静かに過ごす環境を整えるなど、メリハリのある一日を意識することが、昼夜逆転の改善につながります。
根気が必要な場合もありますが、生活習慣を見直すことで、穏やかな夜を取り戻せる可能性は十分にあります。
要求や不快感を伝えるため
老犬が夜寝ないでウロウロする行動は、何か特定の要求や不快感を飼い主に伝えようとしている、非常に分かりやすいコミュニケーション手段である場合があります。
特に夜間、飼い主が寝静まっている時間帯には、犬は自分の要求を伝えるために、ウロウロと歩き回って飼い主の注意を引こうとすることがあります。
最も一般的な要求は、生理的なものです。
例えば、「お腹が空いた」「喉が渇いた」といった食欲や飲水欲です。
高齢になると一度に多くの量を食べたり飲んだりできなくなるため、食事の間隔が空きすぎて夜中にお腹が空いてしまうことがあります。
また、腎機能の低下などにより喉が渇きやすくなることもあります。
フードボウルや水飲み場をウロウロしている場合は、これらの要求を疑ってみましょう。
次に多いのが「トイレに行きたい」という要求です。
加齢により、膀胱に尿を溜めておく能力が低下したり、お腹の調子を崩しやすくなったりするため、夜間でも排泄の必要が出てくることがあります。
普段トイレをしている場所や、玄関のドアの近くをウロウロしている場合は、外に連れて行ってほしいというサインかもしれません。
トイレの失敗を避けるために、我慢して飼い主が起きてくれるのを待っている健気なケースも考えられます。
さらに、寝床の環境に対する不快感を訴えている可能性もあります。
「暑い」「寒い」といった温度の問題や、「ベッドが硬い」「体勢が辛い」といった寝心地の問題です。
老犬は体温調節機能が衰えてくるため、少しの温度変化にも敏感になります。
涼しい場所や暖かい場所を探してウロウロしたり、何度も寝床を出入りしたりする行動が見られたら、寝床の環境を見直してあげる必要があります。
これらの要求や不快感は、犬にとっては切実な問題です。
飼い主としては、まず愛犬が何を伝えようとしているのかを冷静に観察し、その原因を探ることが大切です。
例えば、夜中に一度起こされた際に、少量の水やフードを与えてみる、トイレに連れて行ってみる、室温を調整してみるといった対応で、問題が解決するかどうかを試してみましょう。
夜中に対応するのは大変ですが、原因が特定できれば、就寝前の食事の時間を調整したり、寝室にトイレシートを設置したりと、事前に対策を講じることが可能になります。
老犬が夜寝ないでウロウロするときの対策
愛犬が夜中にウロウロと歩き回る日々が続くと、飼い主の心身の負担も大きくなります。
しかし、適切な対策を講じることで、その悩みは大きく軽減できる可能性があります。
ここでは、老犬が夜寝ないでウロウロという問題に直面した際に、飼い主ができる具体的な5つの対策をご紹介します。
獣医師への相談から、日々の暮らしの中での工夫まで、愛犬と穏やかな夜を取り戻すためのヒントがここにあります。
◆この章のポイント◆
- まずは動物病院へ相談する
- 安全に過ごせる環境を整える
- サプリで栄養を補助する方法
- 飼い主ができる心のケア
- まとめ：老犬が夜寝ないでウロウロするのは変化のサイン
まずは動物病院へ相談する
老犬が夜寝ないでウロウロする行動に気づいたら、飼い主がまず最初に行うべき最も重要な対策は、動物病院で獣医師に相談することです。
自己判断で「年のせいだろう」と片付けてしまうのは非常に危険です。
前述の通り、この行動の背景には、治療が必要な病気が隠れている可能性が十分に考えられます。
動物病院を受診する際には、事前に情報を整理しておくと診察がスムーズに進みます。
獣医師に伝えるべきポイントは以下の通りです。
- いつからその行動が始まったか
- どのような様子でウロウロするのか（旋回する、壁に沿って歩くなど）
- 夜間の行動以外に、日中の様子で変化した点はないか（食欲、飲水量、排泄、元気など）
- 最近、生活環境に変化はなかったか
- 可能であれば、夜中の様子をスマートフォンなどで動画撮影しておくと、口頭で説明するよりも正確に状況を伝えることができます。
獣医師は、まず問診と身体検査を行い、関節炎などの痛みを引き起こす病気がないか、神経学的な異常がないかなどをチェックします。
必要に応じて、血液検査や尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを実施し、内臓疾患の可能性を探ります。
これらの検査によって、身体的な病気が原因でないと判断された場合に、認知症の可能性が考慮されることになります。
病気が見つかった場合は、その治療が最優先です。
例えば、関節炎の痛みに対しては消炎鎮痛剤が処方され、心臓病であれば心臓の負担を和らげる薬が処方されます。
原因となっている病気の治療を行うことで、不快感が取り除かれ、夜間の徘徊が嘘のように収まることも珍しくありません。
認知症と診断された場合でも、悲観する必要はありません。
現在では、認知症の進行を緩やかにする薬や、脳の血流を改善する薬、不安を和らげる薬など、様々な治療の選択肢があります。
また、獣医師は薬物療法だけでなく、食事療法やサプリメント、生活環境の改善など、総合的な観点からアドバイスをくれます。
飼い主だけで悩まず、専門家である獣医師を頼ることが、愛犬と飼い主双方の負担を軽減し、問題解決へと導くための最も確実な一歩となるのです。
安全に過ごせる環境を整える
老犬が夜寝ないでウロウロする行動そのものをすぐに止めるのは難しい場合でも、愛犬が安全に過ごせる環境を整えてあげることは、飼い主がすぐにでも取り組める重要な対策です。
特に認知症や視力低下が見られる犬は、夜間の暗闇の中で思わぬ事故に遭う危険性があります。
怪我を未然に防ぎ、犬の不安を少しでも和らげるための環境作りを心がけましょう。
まず、徘徊する可能性のある部屋の危険な箇所をチェックします。
階段や段差がある場所は、転落の危険性が非常に高いため、ペットゲートや柵を設置して侵入できないようにしましょう。
テーブルや棚の角など、犬が体をぶつけそうな硬くて鋭利な部分には、コーナーガードを取り付けて衝撃を和らげる工夫をします。
床に滑りやすいフローリングが敷かれている場合は、カーペットやマットを敷いて滑り止め対策を施しましょう。
足腰が弱った老犬は、滑ることで関節を痛めたり、転倒して骨折したりするリスクがあります。
また、電気コードや犬が誤飲しそうな小さな物は、犬の手の届かない場所に片付けておくことも大切です。
夜間の視界を確保してあげることも、犬の不安を軽減するのに役立ちます。
部屋を完全に真っ暗にするのではなく、足元を照らす程度の常夜灯やフットライトをつけておくと良いでしょう。
これにより、犬は自分のいる場所を把握しやすくなり、家具などにぶつかるリスクを減らすことができます。
徘徊する範囲を限定することも有効な手段です。
家全体を自由に動き回れるようにしておくと、犬が迷子になったり、危険な場所に入り込んだりする可能性が高まります。
安全対策を施した一部屋や、広めのサークルなどで行動範囲を制限することで、管理がしやすくなり、犬も落ち着きやすくなることがあります。
その際は、中に快適なベッドと新鮮な水、トイレを必ず用意してあげてください。
寝床の環境を見直すことも忘れてはいけません。
老犬は体温調節が苦手になるため、夏は涼しく、冬は暖かい寝床を用意し、室温にも気を配りましょう。
体圧を分散してくれる低反発のベッドや、乗り降りしやすい高さのベッドを選ぶなど、愛犬の体の状態に合わせた寝床作りが、質の良い睡眠につながります。
サプリで栄養を補助する方法
老犬が夜寝ないでウロウロする原因が認知機能の低下にある場合、日々の食事に加えて、脳の健康をサポートする成分を含んだサプリメントを取り入れることも有効な対策の一つです。
サプリメントは医薬品ではないため、病気を治すものではありませんが、不足しがちな栄養素を補い、認知機能の維持や不安の緩和に役立つことが期待されます。
ただし、サプリメントを与える前には、必ずかかりつけの獣医師に相談することが大前提です。
犬の健康状態や、すでに服用している薬との飲み合わせなどを考慮し、最適なサプリメントを選んでもらうようにしましょう。
犬の認知機能のサポートに役立つとされる代表的な成分には、以下のようなものがあります。
- DHA・EPA：青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸で、脳の神経細胞を活性化させ、記憶力や学習能力の維持に役立つとされています。抗炎症作用も期待できます。
- 抗酸化物質：ビタミンC、ビタミンE、セレンなどは、体のサビつきの原因となる活性酸素を除去する働きがあります。脳細胞の酸化を防ぎ、老化を遅らせる効果が期待されます。
- 中鎖脂肪酸（MCTオイル）：ココナッツオイルなどに含まれる成分で、脳のエネルギー源となるケトン体の生成を促し、脳機能の改善に役立つという研究報告があります。
- フェルラ酸：米ぬかなどに含まれるポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持ち、脳の神経細胞を保護する働きがあるとされています。
これらの成分は、単体で配合されているものもあれば、複数の成分がバランス良く配合された総合的なアンチエイジングサプリメントもあります。
また、精神的なストレスや不安が徘徊の原因となっている場合には、リラックス効果が期待できる成分を含んだサプリメントが有効な場合もあります。
例えば、テアニン（緑茶の旨味成分）やトリプトファン（必須アミノ酸の一種）などは、穏やかな気持ちをサポートする働きがあるとされています。
サプリメントは、フードに混ぜたり、おやつタイプのものを選んだりと、愛犬が喜んで摂取できる形状のものを選ぶことが、継続のコツです。
すぐに劇的な変化が現れるものではないため、獣医師の指導のもと、少なくとも1〜2ヶ月は継続して様子を見るようにしましょう。
毎日の栄養補助として、愛犬のQOL（生活の質）を維持するための一つの選択肢として検討してみてください。
飼い主ができる心のケア
老犬が夜寝ないでウロウロする問題に対処する上で、物理的な環境整備や医療的なアプローチと同じくらい重要なのが、飼い主による心のケアです。
加齢により様々な能力が衰え、不安を抱えやすくなっている老犬にとって、飼い主の存在は何物にも代えがたい心の支えとなります。
飼い主が穏やかで愛情深い態度で接することが、犬の心を安定させ、問題行動の緩和につながります。
まず、夜中にウロウロされても、決して叱らないでください。
犬は悪さをしようとしているわけではなく、何らかの理由があってそうしているのです。
大声で叱責すると、犬はなぜ叱られているのかを理解できず、ただ恐怖と不安を募らせるだけです。
その結果、さらに症状が悪化してしまう可能性もあります。
夜中に起きてしまったら、まずは優しく声をかけ、体を撫でてあげましょう。
飼い主の声を聞き、体に触れられることで、犬は安心感を得ることができます。
日中のコミュニケーションの時間を増やすことも非常に大切です。
留守番の時間が長い場合は、帰宅後に意識して愛犬と触れ合う時間を作りましょう。
優しくマッサージをしたり、ブラッシングをしたり、ただ隣に座って寄り添ってあげたりするだけでも、犬は愛情を感じ、心が満たされます。
また、生活にメリハリをつけることも心の安定に寄与します。
毎日決まった時間に食事を与え、散歩に行き、寝る時間を設定するなど、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
一日の流れが予測できることは、犬にとって大きな安心材料となります。
特に、寝る前にはトイレを済ませ、静かでリラックスできる環境を整える「入眠儀式」を取り入れるのがおすすめです。
飼い主自身の心の健康を保つことも忘れてはいけません。
連日の夜間対応で睡眠不足が続くと、心身ともに疲弊してしまいます。
飼い主がイライラしていると、その感情は敏感に犬に伝わってしまいます。
家族がいる場合は、交代で夜の対応をする、日中に仮眠をとるなど、無理のない範囲で介護を続ける工夫が必要です。
時にはペットシッターやショートステイなどのサービスを利用して、休息をとることも検討しましょう。
飼い主が心に余裕を持つことが、結果的に愛犬へのより良いケアにつながるのです。
まとめ：老犬が夜寝ないでウロウロするのは変化のサイン
この記事では、老犬が夜寝ないでウロウロする原因と、その具体的な対策について詳しく解説してきました。
愛犬の夜中の徘徊は、飼い主にとって心身ともに大きな負担となる問題ですが、それは愛犬が発している重要な「変化のサイン」です。
その行動の裏には、認知症、体の痛みや不快感、精神的なストレス、あるいは生活リズムの乱れなど、様々な理由が隠されています。
重要なのは、そのサインを見逃さず、「年のせい」と諦めてしまわずに、その原因を正しく理解しようと努めることです。
最初に行うべきは、動物病院で獣医師に相談し、病気の可能性をきちんと調べてもらうことでした。
原因となる病気が見つかれば、その治療を行うことで問題が解決に向かう可能性があります。
たとえ認知症と診断されたとしても、早期に発見し、薬やサプリメント、生活改善などを始めることで、その進行を穏やかにし、愛犬と飼い主のQOLを維持することが可能です。
また、医療的なアプローチと並行して、ご家庭でできる対策もたくさんあります。
徘徊による事故を防ぐための安全な環境作り、日中の適度な刺激による昼夜逆転の改善、そして何よりも、飼い主からの愛情のこもった心のケアです。
老犬が夜寝ないでウロウロするのは、決して飼い主を困らせようとしているわけではありません。
それは、助けを求める声であり、不安の表れなのです。
その声に耳を傾け、愛犬がシニア期を穏やかに、そして安心して過ごせるようサポートしてあげることが、飼い主の最後の愛情表現と言えるでしょう。
介護は決して簡単なことではありませんが、この記事で紹介した対策を参考に、一つひとつできることから試してみてください。
愛犬との絆を再確認し、残された貴重な時間を大切に過ごすための一助となれば幸いです。
本日のまとめ
- 老犬が夜寝ないでウロウロするのは何らかのサイン
- 原因としてまず犬の認知症（認知機能不全症候群）が疑われる
- 夜間徘徊は認知症の代表的な症状の一つ
- 関節炎などの痛みや体の不快感が原因の場合もある
- 視力や聴力の低下による不安も徘徊につながる
- 飼い主との分離不安や環境の変化による精神的ストレスも要因
- 日中に寝すぎることによる昼夜逆転も一般的な原因
- 空腹やトイレなど生理的な要求を伝えている可能性もある
- 対策の第一歩は動物病院で獣医師に相談すること
- 病気が隠れていないか検査で確かめることが最重要
- 階段や段差を塞ぎ安全な環境を整えることが必要
- 獣医師に相談の上で脳機能をサポートするサプリの活用も有効
- 叱らず優しく接し安心感を与える心のケアが大切
- 飼い主自身の心身の健康を保つことも忘れてはならない
- 行動は愛犬からの助けを求める声と理解することが重要
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