こんにちは、管理人のdoggoです
大型犬との暮らしの中で、飼い主さんが日々頭を悩ませることの一つが、大型犬の食事の量ではないでしょうか。
体が大きい分、たくさん食べることは分かっていても、具体的にどれくらいの量を与えれば良いのか、正確に把握するのは難しいものです。
ドッグフードのパッケージに記載された目安量を与えているけれど、本当にこれで足りているのか、あるいは多すぎないかと不安になることもあるでしょう。
特に、成長期の子犬や活動量が落ちてくる老犬、避妊・去勢手術後の愛犬など、ライフステージや体調の変化によって必要なエネルギー量は大きく変わるため、その都度適切な食事の管理が求められます。
また、愛犬の体重や体型をチェックしながら、最適な量を見極めるための計算方法や、年齢に応じた食事回数の目安を知っておくことは、肥満や病気の予防にも繋がります。
もし愛犬が急にご飯を食べないといった状況になれば、その原因と対処法を知っておくと、いざという時に落ち着いて対応できるはずです。
この記事では、大型犬の食事の量に関するあらゆる疑問を解消し、愛犬の健康を末永くサポートするためのお手伝いをします。
◆このサイトでわかる事◆
- 大型犬の基本的な食事量の計算方法
- 体重や年齢に基づいたカロリーの目安
- ドッグフードの給与量を確認する際のポイント
- 子犬や老犬などライフステージ別の食事の注意点
- 適切な食事の回数と与えるタイミング
- 愛犬がご飯を食べないときの具体的な対処法
- BCSを活用した家庭でできる体型チェックの方法
大型犬の食事の量を決めるための基本的な計算方法
◆この章のポイント◆
- まずはドッグフードの給与量を目安に
- 体重を基にしたカロリー計算の方法
- 年齢によって食事量はどう変わる?
- 適切な食事の回数とタイミング
- BCSで愛犬の体型をチェックしよう
まずはドッグフードの給与量を目安に
大型犬の食事の量を決めるうえで、最も手軽で基本的な第一歩は、現在与えているドッグフードのパッケージに記載されている給与量を確認することです。
ドッグフードのメーカーは、その製品の栄養価やカロリーに基づき、犬の体重ごとに推奨される1日あたりの給与量の目安を記載しています。
これは、平均的な活動量の犬を基準に算出された一般的な指針であり、飼い主さんが愛犬の食事量を考える際の出発点として非常に役立つ情報です。
給与量の表は通常、「体重5kgまで:〇〇g」「体重10kgまで:〇〇g」というように、体重別に細かく分けられています。
まずは愛犬の正確な体重を把握し、その数値に最も近い欄を参考にしてみましょう。
ただし、ここで重要なのは、パッケージの表示はあくまで「目安」であると理解しておくことです。
犬の必要とするエネルギー量は、人間と同じように個体差が非常に大きいものです。
犬種、年齢、性別、運動量、健康状態、そして避妊・去勢手術の有無など、さまざまな要因によって変動します。
例えば、毎日ドッグランで走り回る活発な犬と、室内で静かに過ごすことが多い犬とでは、同じ体重であっても消費カロリーは全く異なります。
そのため、パッケージの量を基本としつつも、それを鵜呑みにするのではなく、愛犬の様子を日々観察しながら微調整していく姿勢が不可欠です。
給与量を参考にし始めたら、定期的に愛犬の体重を測定し、体型の変化をチェックする習慣をつけましょう。
もし体重が増えすぎているようであれば給与量を少し減らし、逆に痩せてきているようであれば少し増やすといった具合に、柔軟に対応することが健康管理の鍵となります。
特に大型犬は、体重の増減が関節に与える影響も大きいため、適切な体重管理がより一層重要になります。
最初に何から始めれば良いか分からない場合は、まずフードのパッケージを確認し、そこから愛犬だけの「最適な量」を見つける旅をスタートさせてください。
体重を基にしたカロリー計算の方法
ドッグフードのパッケージに記載されている給与量は手軽な目安ですが、より正確に大型犬の食事の量を把握するためには、カロリー計算を行うのがおすすめです。
少し手間はかかりますが、愛犬の体重や状態に合わせて必要なエネルギー量を具体的に数値化できるため、精度の高い健康管理が可能になります。
犬の必要カロリーを計算する際には、「RER(安静時エネルギー要求量)」と「DER(1日あたりのエネルギー要求量)」という2つの指標が用いられます。
RER(安静時エネルギー要求量)の計算
RERとは、健康な犬が安静にしている状態で、生命維持に最低限必要なエネルギー量のことです。
これは犬の体重から算出することができ、計算式は以下の通りです。
RER = 70 × (体重kg)の0.75乗
電卓を使う場合は、「体重(kg) × 体重(kg) × 体重(kg) = 」のあとに「√」を2回押し、その数値に70を掛けると簡単に計算できます。
より簡易的な計算式として、「RER = 30 × 体重(kg) + 70」もよく用いられます。
こちらは2kgから45kg程度の犬に適しており、大型犬の場合もこの式で大まかな数値を把握できます。
DER(1日あたりのエネルギー要求量)の計算
RERが算出できたら、次はその数値に犬のライフステージや活動レベルに応じた「係数」を掛けて、1日に本当に必要なカロリーであるDERを求めます。
DER = RER × 係数
この係数が、個々の犬の状況を反映させるための重要な要素です。
主な係数は以下の表の通りです。
| 犬の状態 | 係数 |
|---|---|
| 成長期(生後4ヶ月まで) | 3.0 |
| 成長期(生後4ヶ月以降) | 2.0 |
| 避妊・去勢済みの成犬 | 1.6 |
| 未避妊・未去勢の成犬 | 1.8 |
| 活動的な犬 | 2.0~5.0 |
| 肥満傾向の犬 | 1.4 |
| 減量中の犬 | 1.0 |
| 高齢犬(シニア) | 1.4 |
例えば、体重30kgで避妊手術済みの成犬の場合を考えてみましょう。
- RER = 30 × 30 + 70 = 970 kcal
- DER = 970 × 1.6 = 1552 kcal
この計算により、1日に約1552kcalが必要だと分かります。
このDERを、与えているドッグフードの100gあたりのカロリーで割ると、1日に必要なフードのグラム数を算出できます。
例えばフードが350kcal/100gなら、「1552 ÷ 350 × 100 ≒ 443g」が1日の給与量の目安となります。
この計算方法は、フードを変更した際や、愛犬のライフステージが変わった際に、客観的な数値に基づいて食事量を調整できるため、非常に有用です。
年齢によって食事量はどう変わる?
大型犬の食事の量は、生涯を通じて一定というわけではありません。
人間が子供の時、大人になってから、そして年を重ねてからで食べる量や内容が変わるように、犬も年齢、つまりライフステージによって必要とする栄養やカロリーが大きく変化します。
そのため、愛犬の年齢に合わせて食事の量や内容を見直していくことが、健康を維持する上で極めて重要になります。
成長期(子犬期):~約18ヶ月齢
大型犬の子犬は、急激に体が大きくなるため、生涯で最も多くのエネルギーと栄養を必要とします。
骨や筋肉、内臓など、体のあらゆる部分が作られるこの時期は、成犬の約2倍のカロリーが必要です。
ただし、ここで注意したいのが、カロリーの与えすぎです。
特に大型犬の場合、急激な成長は骨や関節に大きな負担をかけ、股関節形成不全などの発育性整形外科疾患のリスクを高める可能性があります。
そのため、高カロリーすぎず、カルシウムとリンのバランスが適切に調整された、大型犬の子犬専用フードを選ぶことが推奨されます。
食事の量は、月齢や体重の増加に合わせてこまめに調整していく必要があります。
成犬期:約18ヶ月齢~7歳頃
体が完全に成長しきった成犬期は、子犬期ほどのエネルギーは必要としなくなります。
この時期は、健康的な体重と体型を維持することが目標となります。
食事の量は、前述のカロリー計算やフードの給与量を目安に、愛犬の運動量や体質に合わせて調整します。
避妊・去勢手術を行った場合は、ホルモンバランスの変化により太りやすくなる傾向があるため、食事量を1~2割程度減らすか、低カロリーのフードに切り替えるなどの配慮が必要です。
定期的に体重を測定し、理想体重をキープできているか確認する習慣が大切です。
高齢期(シニア期):7歳頃~
大型犬は7歳頃からシニア期に入ると言われています。
この時期になると、基礎代謝が落ち、運動量も自然と減ってくるため、成犬期と同じ量の食事を与えていると肥満になりやすくなります。
肥満は心臓や関節への負担を増大させ、さまざまな病気のリスクを高めます。
そのため、成犬期よりもカロリーを抑え、消化しやすく、関節の健康をサポートする成分(グルコサミンやコンドロイチンなど)が含まれたシニア犬用フードに切り替えるのが一般的です。
また、噛む力や消化機能も衰えてくることがあるため、フードをふやかして与えるなどの工夫が必要になる場合もあります。
このように、年齢に合わせて食事管理を最適化することが、大型犬の健康寿命を延ばすための鍵となります。
適切な食事の回数とタイミング
大型犬の食事の量を適切に管理するのと同様に、食事を1日に何回、どのタイミングで与えるかという点も、健康を維持する上で非常に重要です。
特に大型犬は、「胃拡張・胃捻転症候群(GDV)」という、命に関わる病気のリスクが他の犬種よりも高いことが知られており、食事の与え方がその予防に大きく関わってきます。
食事回数の目安
犬の食事回数は、ライフステージによって変化させるのが一般的です。
- 子犬期(生後3ヶ月頃まで): 消化器官が未発達なため、一度に多くの量を食べることができません。1日の給与量を3~4回に分けて、少量ずつ与えるのが理想的です。
- 子犬期(生後3ヶ月~成長期終了まで): 体の成長とともに消化能力も高まってきます。徐々に回数を減らし、1日2~3回に移行していきます。
- 成犬期・高齢期: 1日の給与量を2回に分けて、朝と夕方に与えるのが最も一般的で推奨される方法です。
成犬に対して1日1回の食事でも問題ないという意見もありますが、大型犬の場合は避けるべきです。
1日1回の食事は空腹時間が長くなり、次の食事で早食いや一気食いを誘発しやすくなります。
これが胃の中に急激にフードと空気が溜まる原因となり、胃拡張・胃捻転のリスクを高めてしまうのです。
1日の食事量を2回以上に分けることで、一回あたりの胃への負担を軽減し、この危険な病気のリスクを下げることができます。
食事のタイミングと注意点
食事のタイミングは、飼い主さんのライフスタイルに合わせて、毎日なるべく同じ時間に与えることが望ましいです。
規則正しい食事時間は、犬の体内時計を整え、消化リズムを安定させる助けになります。
食事を与える上で、特に注意したいのが食後すぐの激しい運動です。
食後すぐに走ったり、ジャンプしたり、転げ回ったりするような運動は、胃が揺さぶられて捻転を起こす引き金になりかねません。
食事の後は、少なくとも1~2時間は犬が落ち着いて過ごせるように、ケージやサークルで休ませる、あるいは静かな部屋でリラックスさせるなどの配慮をしましょう。
同様に、散歩などの運動前も、直前の食事は避けた方が安全です。
散歩から帰ってきて、犬の興奮が収まり、呼吸が落ち着いてから食事を与えるように心がけてください。
これらの少しの工夫が、愛犬を命の危険から守ることに繋がります。
BCSで愛犬の体型をチェックしよう
大型犬の食事の量を適切に管理するためには、体重計の数値だけでなく、実際に犬の体を見て、触って体型を評価することが不可欠です。
そのための客観的な指標として、世界中の獣医師が用いているのが「ボディコンディションスコア(BCS)」です。
BCSは、犬の肋骨、腰、腹部の状態から、体脂肪がどれくらいついているかを評価し、「痩せすぎ」から「太りすぎ」までを段階的に判断するものです。
一般的に5段階評価がよく使われます。
BCSの5段階評価
BCSは、見た目と触診を組み合わせて評価します。
- BCS 1(痩せすぎ): 肋骨、腰椎、骨盤の骨が遠くからでもはっきりと見える。脂肪は全く触れず、筋肉量も著しく少ない。
- BCS 2(痩せ気味): 肋骨が容易に見える。上から見たときに腰のくびれが顕著で、腹部の吊り上がりも急。肋骨を触ると、ごくわずかな脂肪しか感じられない。
- BCS 3(理想体型): 肋骨は見た目では見えないが、触ると容易に感じることができる。上から見ると、肋骨の後ろに腰のくびれがはっきりと確認できる。横から見ると、腹部が胸から腰にかけて緩やかに吊り上がっている。
- BCS 4(太り気味): 肋骨は厚い脂肪に覆われており、触るのが難しい。上から見ると腰のくびれはほとんどなく、背中が平らに見える。腹部の吊り上がりもあまりない。
- BCS 5(肥満): 厚い脂肪に覆われ、肋骨を触ることは不可能。腰のくびれはなく、背中は広く平ら。腹部は垂れ下がっている。
家庭でのチェック方法
BCSの評価は、自宅で簡単に行うことができます。
1. 肋骨のチェック:愛犬の胸のあたりを、手のひらで優しく撫でるように触ります。理想的な状態(BCS 3)では、皮膚と薄い脂肪の層越しに、肋骨を一本一本感じ取ることができます。もし骨がゴツゴツと浮き出ているなら痩せすぎ、逆に強く押さないと骨に触れない場合は太り気味です。
2. 腰のチェック:愛犬の真上に立ち、背中から腰にかけてのラインを観察します。理想体型では、肋骨が終わった部分から腰にかけて、砂時計のような滑らかなくびれが見られます。このくびれがほとんど見られない場合は、脂肪がつきすぎているサインです。
3. お腹のチェック:愛犬を横から見て、お腹のラインを確認します。胸から股関節にかけて、お腹が緩やかに吊り上がっているのが理想です。このラインが水平だったり、垂れ下がっていたりする場合は肥満の可能性があります。
このBCSを定期的に(例えば月に1回)チェックする習慣をつけることで、体重の数値だけでは分からない体型の変化にいち早く気づくことができます。
そして、その評価結果をもとに大型犬の食事の量を微調整していくことが、愛犬を生涯にわたって理想体型に保つ秘訣です。
ライフステージ別の大型犬の食事の量と注意点
◆この章のポイント◆
- 成長期の子犬に必要な栄養と食事量
- 老犬(シニア犬)の食事で気をつけること
- 食欲がない・食べない時の対処法
- 避妊・去勢手術後の食事量の調整
- 健康を守るために知っておきたい注意点
成長期の子犬に必要な栄養と食事量
大型犬の子犬期は、その後の犬生における骨格や体格の基礎を築く、非常にデリケートで重要な時期です。
この時期の食事管理は、単に体を大きくするだけでなく、健康的な成長をサポートし、将来的な病気のリスクを軽減するために、細心の注意を払う必要があります。
大型犬の子犬は、成犬時の体重が25kg以上になる犬を指し、その成長スピードは小型犬や中型犬とは比較になりません。
生後1年から1年半、犬種によっては2年近くかけて成犬の体格へと成長していきます。
この急激な成長を支えるためには、高タンパク・高カロリーな食事が必要不可欠です。
しかし、ここで大きな落とし穴があります。
それは、「カロリーや栄養を与えれば与えるほど良い」というわけではないということです。
特に大型犬の子犬にとって過剰なカロリー摂取は、成長スピードを不必要に加速させてしまいます。
骨の成長が追いつかないうちに体重だけが急増すると、未熟な骨や関節に過度な負担がかかり、「股関節形成不全」や「離断性骨軟骨炎(OCD)」といった、発育に伴う整形外科的な疾患の発症リスクを著しく高めてしまうのです。
また、カルシウムの過剰摂取も同様に危険です。
良かれと思ってカルシウムのサプリメントなどを追加すると、骨の正常な発達を妨げ、骨格の変形などを引き起こす可能性があります。
このようなリスクを避けるために、現在では「大型犬の子犬用(ラージブリードパピー)」として設計された専用のドッグフードを選ぶことが強く推奨されています。
これらのフードは、急激な成長を防ぐためにカロリーが適度に調整されているほか、健康的な骨格形成に不可欠なカルシウムとリンの量が、最適なバランスで配合されています。
食事の量については、フードのパッケージに記載された月齢と体重に応じた給与量を目安にしますが、常に子犬の体型(BCS)をチェックし、理想体型を維持できるように微調整を続けることが肝心です。
少し痩せ気味に見えるくらいが、骨格への負担が少なく、健全な成長につながるとも言われています。
大型犬の子犬の食事管理は、「与えすぎないこと」が愛情表現の一つとなる、特殊な時期であると覚えておきましょう。
老犬(シニア犬)の食事で気をつけること
大型犬は、一般的に7歳頃からシニア期に入ると考えられています。
加齢に伴い、若い頃とは体の様々な面で変化が現れるため、食事の量や内容もシニア期に合わせて見直していく必要があります。
老犬の食事管理で最も重要なポイントは、肥満の予防です。
年を取ると、犬も人間と同じように基礎代謝が低下し、活動量も自然と減少していきます。
そのため、成犬期と同じ食事を同じ量だけ与え続けていると、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回り、気づかないうちに体重が増えてしまうことが少なくありません。
大型犬にとって肥満は、ただ太っているというだけでなく、体重を支える足腰の関節に大きな負担をかけ、関節炎を悪化させる原因になります。
また、心臓や呼吸器系への負担も増し、糖尿病などの内分泌系の病気のリスクも高まります。
これらのリスクを軽減するためには、成犬期に比べてカロリーが20~30%程度抑えられた、シニア犬用のフードに切り替えるのが一般的です。
シニア用フードは、低カロリーであるだけでなく、他にも高齢期に嬉しい配慮がされています。
例えば、衰えがちな関節の健康をサポートするためにグルコサミンやコンドロイチン硫酸が配合されていたり、免疫力を維持するために抗酸化成分が強化されていたりします。
また、消化機能の低下にも配慮し、高品質で消化しやすい原材料が使われていることが多いです。
食事の量については、フードを切り替えた後も、定期的な体重測定とBCSによる体型チェックを続け、その子に合った適正量を見極めていくことが大切です。
さらに、シニア期には歯周病や歯の喪失により、硬いドライフードが食べにくくなる子も出てきます。
食欲が落ちたように見えても、実はお湯やぬるま湯でフードをふやかしてあげるだけで、喜んで食べてくれることもあります。
香りが立つことで食欲増進の効果も期待できます。
愛犬の変化を注意深く観察し、その時々の状態に合わせた食事の工夫をしてあげることが、健やかなシニアライフを支える鍵となるでしょう。
食欲がない・食べない時の対処法
毎日喜んでご飯を食べていた愛犬が、急に食欲をなくしたり、全く食べなくなったりすると、飼い主さんは非常に心配になるものです。
大型犬の食事の量に悩むのとはまた別に、食欲不振は様々な原因によって引き起こされるため、まずはその理由を冷静に探ることが大切です。
原因は、大きく分けて病的なものと、そうでないものに分けられます。
病気の可能性
まず最初に疑うべきは、何らかの病気や体調不良です。
消化器系の問題(胃腸炎、異物の誤飲など)、口腔内のトラブル(歯周病、口内炎)、内臓疾患、痛みや発熱など、食欲不振はあらゆる病気のサインとして現れます。
もし、食欲不振の他に、嘔吐、下痢、元気がない、水を飲まない、呼吸が荒いなど、他の症状も見られる場合は、迷わず動物病院を受診してください。
特にぐったりしている場合や、お腹を痛がる素振りを見せる場合は、緊急を要する可能性もあります。
病気以外の原因と対処法
元気や排泄は普段通りなのに、ご飯だけを食べない場合は、以下のような理由が考えられます。
- ストレス: 引っ越し、家族構成の変化、長時間の留守番、雷や花火の音など、環境の変化や精神的なストレスが原因で食欲が落ちることがあります。原因となるストレスを取り除き、安心して過ごせる環境を整えてあげることが重要です。
- フードへの飽き・わがまま: いつも同じフードを食べていることに飽きてしまったり、おやつをもらいすぎた結果、フードを食べなくなることがあります。この場合、食事の時間になっても食べなければ、一度食器を片付けてしまいましょう。「出された時に食べないと、次はない」と学習させることで、わがままが改善されることがあります。
- 老化による変化: シニア犬になると、運動量の低下や代謝の変化、嗅覚の衰えなどから食欲が自然と落ちてくることがあります。
病気以外の理由で食欲がない場合の対処法としては、以下のような工夫が有効です。
まずはフードに変化をつけてみましょう。
例えば、ドライフードをお湯やぬるま湯で少しふやかしてみると、香りが立って食欲を刺激します。
また、犬用のウェットフードや、茹でた鶏のささみ、無糖のヨーグルトなどを少量トッピングしてあげるのも良い方法です。
ただし、トッピングはあくまで食欲を促すためのきっかけとし、与えすぎるとそれしか食べなくなる可能性があるので注意が必要です。
人肌程度に温めるのも、香りを引き立てる効果的な方法です。
これらの工夫を試しても2日以上食べない場合や、少しでも普段と違う様子が見られる場合は、病気が隠れている可能性も否定できないため、獣医師に相談することをお勧めします。
避妊・去勢手術後の食事量の調整
大型犬を迎えた多くの飼い主さんが、将来的に検討することになるのが避妊・去勢手術です。
この手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、オスであれば精巣の病気や前立腺肥大、メスであれば子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といった、性ホルモンに関連する様々な病気のリスクを大幅に減らすことができるという大きなメリットがあります。
しかし、手術を受けることで、体に一つ大きな変化が起こります。
それは、ホルモンバランスの変化に伴い、「太りやすくなる」ということです。
手術によって性ホルモンの分泌がなくなると、基礎代謝が低下する傾向にあります。
研究によっては、手術後に必要となるエネルギー量が、手術前と比較して20~30%も減少するという報告もあります。
つまり、手術前と同じ量の食事を与え続けていると、消費しきれなかったエネルギーが脂肪としてどんどん蓄積され、肥満につながってしまうのです。
肥満は、関節への負担増、糖尿病、心臓病など、さまざまな健康問題の引き金となり、特に体が大きい大型犬にとっては深刻な問題です。
そのため、避妊・去勢手術後は、食事管理の見直しが必須となります。
具体的な調整方法としては、以下の2つのアプローチが考えられます。
1. 食事の量を減らす
最もシンプルな方法は、今まで与えていたフードの量を、術前の8割程度に減らして与えることです。
例えば、これまで1日に500g与えていたのであれば、400gに減らすといった具合です。
ただし、単に量を減らすだけだと、犬が満腹感を得られずに食事を催促することがあるかもしれません。
また、食事量が減ることで、ビタミンやミネラルなど、体に必要な栄養素まで不足してしまう可能性も考慮する必要があります。
2. フードを切り替える
より推奨される方法は、避妊・去勢手術を受けた犬専用に設計されたフードに切り替えることです。
これらのフードは、通常の成犬用フードよりも低カロリー・低脂肪でありながら、満腹感を得やすいように食物繊維が豊富に含まれているなど、体重管理がしやすくなるような工夫がされています。
また、必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどはしっかりと摂取できるように栄養バランスが調整されているため、健康的に体重をコントロールすることが可能です。
どちらの方法を選ぶにせよ、手術後は定期的に体重を測定し、BCSで体型をチェックしながら、その子に合った食事量を見つけていくことが重要です。
手術後の体重増加はゆっくりと進むため、気づいた時には手遅れ、ということにならないよう、早めの対策を心がけましょう。
健康を守るために知っておきたい注意点
愛犬の健康を維持するためには、大型犬の食事の量を適切に管理することに加えて、食事に関するいくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。
日々のささいな習慣が、愛犬の健康寿命に大きく影響を与える可能性があるからです。
人間の食べ物は与えない
食卓で美味しそうに食事をする飼い主さんを、愛犬が健気な目で見つめてくると、つい一口だけ、とおすそ分けをしたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、人間の食べ物の多くは、犬にとっては塩分や脂肪分、糖分が過剰です。
日常的に与えていると、肥満の原因になるだけでなく、膵炎などの病気を引き起こすリスクもあります。
特に、タマネギ、チョコレート、ブドウ、キシリトールなど、犬にとって中毒症状を引き起こす致命的な食材も少なくありません。
愛犬の健康を思うのであれば、人間の食事は与えないというルールを家族全員で徹底することが大切です。
新鮮な水をいつでも飲めるように
食事と同様に、あるいはそれ以上に重要なのが、水分補給です。
新鮮な水をいつでも好きな時に飲むことができるよう、清潔な容器にたっぷりと用意しておきましょう。
特にドライフードを主食としている場合、食事から摂取できる水分はごくわずかです。
体内の水分が不足すると、脱水症状や腎臓の病気のリスクが高まります。
水の容器は、食事場所の近くや、犬がよく過ごす部屋など、複数箇所に設置してあげると、飲水を促すのに効果的です。
容器は毎日洗い、常に清潔な状態を保ちましょう。
おやつの与えすぎに注意
おやつは、しつけの際のご褒美や、愛犬とのコミュニケーションを深めるための素晴らしいツールです。
しかし、与えすぎは禁物です。
おやつはあくまで補助的なものであり、そのカロリーも1日の総摂取カロリーに含めて計算する必要があります。
一般的に、おやつで摂取するカロリーは、1日の必要カロリーの10%以内にとどめるのが理想的とされています。
高カロリーなおやつをたくさん与えてしまうと、それだけで簡単にカロリーオーバーになり、主食であるドッグフードを食べなくなる原因にもなります。
おやつを与える際は、その分、主食の量を少し減らすなどの調整が必要です。
これらの注意点を守ることが、適切な食事管理と合わせて、大型犬の健康を長期的に守るための基盤となります。
愛犬に合った大型犬の食事の量で健康管理を
ここまで、大型犬の食事の量を決めるための様々な方法や、ライフステージごとの注意点について詳しく解説してきました。
ドッグフードのパッケージ表示から始まり、体重に基づいたカロリー計算、そしてBCSを用いた体型チェックまで、愛犬に合った食事量を見つけるためのアプローチは一つではありません。
大切なのは、これらの方法で導き出された数値は、あくまで「出発点」であると理解することです。
計算で算出された通りの量を与えていても、運動量の多い子は痩せてしまうかもしれませんし、代謝が低い子は太ってしまうかもしれません。
マニュアル通りの管理に固執するのではなく、目の前にいる愛犬の体つき、毛ヅヤ、便の状態、そして日々の活動レベルを注意深く観察し、その変化に応じて柔軟に食事量を微調整していくことこそが、最も重要で効果的な健康管理と言えるでしょう。
特に大型犬は、その大きな体を生涯にわたって支え続けるため、関節や心臓にかかる負担が小さくありません。
適切な大型犬の食事の量を維持し、肥満を防ぐことは、これらの負担を軽減し、様々な病気のリスクを遠ざけ、結果として愛犬が長く健康で快適な生活を送るための、飼い主さんができる最高のプレゼントの一つです。
子犬期、成犬期、そしてシニア期と、愛犬のライフステージが変わるたびに、食事の内容や量について改めて考える機会を持つようにしましょう。
もし食事管理について不安なことや分からないことがあれば、一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師や専門家に相談することも非常に有効です。
日々の食事は、愛犬の体を作る源です。
正しい知識に基づいた愛情深い食事管理を通じて、愛犬との健やかで幸せな毎日を築いていきましょう。
本日のまとめ
- 大型犬の食事量の基本はドッグフードの給与量
- より正確な量は体重と活動量からカロリー計算で求める
- RERとDERを算出して1日の必要エネルギーを把握する
- 子犬期は成長のために成犬の約2倍のカロリーが必要
- 大型犬の子犬はカロリー過多による急成長に注意
- シニア期は代謝が落ちるため低カロリー食で肥満を予防
- 成犬の食事回数は胃捻転予防のため1日2回が理想
- 食後すぐの激しい運動は避ける
- BCS(ボディコンディションスコア)で定期的に体型をチェック
- 肋骨や腰のくびれを触って理想体型を維持する
- 食欲不振は病気のサインの可能性もあるため注意深く観察
- フードをふやかす等の工夫で食欲が戻ることもある
- 避妊・去勢後は太りやすくなるため食事量の調整が必須
- 人間の食べ物やおやつの与えすぎは健康リスクを高める
- 最終的な食事量は愛犬の個体差に合わせて調整することが最も重要

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参考サイト
【獣医師監修】犬のごはんの量はどう決める?計算方法や目安について
大型犬のドッグフードの選び方は?回数・量や与える際の注意点をご紹介
成犬用ドッグフードに必要な栄養素と正しい給餌量を知ろう! – ココグルメ
大型犬や超大型犬の仔犬の食事 | CentreSquare – Purina Institute
【保存版】犬の体重別!愛犬に与える適切なご飯の量とカロリー「早見表」と「計算方法」


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