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犬のヘルニアの原因を解説!症状や治療法、なりやすい犬種まで

健康
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こんにちは、管理人のdoggoです

愛犬がいつもと違う様子を見せると、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。

特に、足を引きずる、歩きたがらない、背中を痛がるといった症状が見られる場合、犬のヘルニアの可能性があります。

犬のヘルニアの原因は一体何なのか、どうすれば予防できるのか、そしてもし発症してしまったらどのような治療法があるのか、多くの疑問や不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

この記事では、犬のヘルニアの原因というテーマを深掘りし、飼い主さんが抱える悩みを解決するための情報を網羅的に解説します。

ヘルニアの症状はグレードによって重症度が異なり、早期発見と適切な対応が非常に重要です。

また、ヘルニアになりやすい犬種や、その原因が加齢によるものなのか、あるいは遺伝的な要因が関わっているのかについても詳しく見ていきます。

さらに、動物病院で行われる精密な検査から、内科療法、そして必要に応じた手術、その後のリハビリに至るまで、治療の選択肢を具体的に説明します。

愛犬の健康を守るためには、正しい知識を持つことが第一歩です。

この記事を通じて、犬のヘルニアの原因を正しく理解し、万が一の際に落ち着いて対応できるよう、必要な情報を手に入れてください。

◆このサイトでわかる事◆

  • 犬のヘルニアの具体的な症状とグレード
  • ヘルニアになりやすい犬種とその理由
  • 加齢や遺伝が原因となるメカニズム
  • 家庭で実践できる具体的な予防方法
  • 動物病院で行われる詳しい検査内容
  • 内科療法から外科手術までの治療法の選択肢
  • 治療後に重要となるリハビリテーション

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主な犬のヘルニアの原因は加齢と遺伝です

◆この章のポイント◆

  • 症状の重さで変わるグレード分類
  • なりやすい犬種と身体的な特徴
  • 原因は加齢による椎間板の変性
  • 原因は遺伝による軟骨異栄養症
  • 日常生活でできるヘルニアの予防

症状の重さで変わるグレード分類

犬の椎間板ヘルニアの症状は、脊髄がどれだけ圧迫されているかによって重症度が異なります。

この重症度を客観的に評価するために、一般的に5段階の「グレード」という指標が用いられます。

グレード分類を理解することは、現在の愛犬の状態を把握し、獣医師と治療方針を相談する上で非常に重要です。

グレードが低いほど症状は軽く、高いほど重篤な状態を示します。

まず、グレード1は最も軽度な状態で、主な症状は痛みです。

犬は背中を丸めたり、触られるのを嫌がったり、抱き上げようとすると鳴き声をあげることがあります。

この段階では麻痺は見られませんが、明らかな痛みのサインを示しているため、注意深い観察が必要です。

次に、グレード2では、痛みに加えて足のふらつき(不全麻痺)が見られるようになります。

歩行は可能ですが、後ろ足がもつれたり、腰が砕けるような歩き方をしたりします。

自力で歩けるものの、明らかに神経機能に異常が出始めている状態と言えるでしょう。

グレード3に進行すると、不全麻痺が悪化し、自力での起立や歩行が困難になります。

足を動かそうとする意志は見られますが、体を支えることができず、這うようにしか移動できないことが多いです。

この段階から、治療法として外科手術が検討されることが増えてきます。

グレード4は、完全な麻痺状態を指します。

後ろ足が全く動かなくなり、自分の意志で足を動かすことができません。

しかし、この段階ではまだ「深部痛覚」と呼ばれる、足先を強くつねった際に痛みを感じる反応は残っています。

深部痛覚の有無は、神経機能が完全に失われていないことを示す重要な指標であり、手術後の回復予後を左右する要素となります。

そして、最も重篤なのがグレード5です。

この状態では、完全な麻痺に加えて深部痛覚も消失してしまいます。

脊髄の損傷が非常に重度であることを意味し、緊急的な外科手術が必要となるケースがほとんどです。

手術を行っても、回復までには時間がかかり、後遺症が残る可能性も高くなります。

以下に、各グレードの症状と状態をまとめます。

グレード主な症状状態
グレード1痛み麻痺はなく、背中を痛がる、震えるなどの様子が見られる
グレード2不全麻痺(歩行可能)足がふらつく、腰が砕けるが、自力で歩くことはできる
グレード3不全麻痺(歩行困難)自力で立てず、這って移動する
グレード4完全麻痺(深部痛覚あり)足は動かないが、強い刺激に対する痛みの感覚は残っている
グレード5完全麻痺(深部痛覚なし)足が動かず、強い刺激にも反応しない最も重篤な状態

このようにグレード分類を理解し、愛犬の症状がどの段階にあるのかを早期に見極めることが、適切な治療への第一歩となるのです。

なりやすい犬種と身体的な特徴

犬のヘルニアはどんな犬種でも発症する可能性がありますが、特定の犬種で特になりやすい傾向があることが知られています。

その背景には、犬種特有の骨格や遺伝的な素因が大きく関わっています。

ヘルニアになりやすい犬種の多くは、「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれるグループに属します。

これは、遺伝的に軟骨の成長に異常があり、椎間板が若いうちから変性しやすい体質を持つ犬種のことです。

代表的な犬種として、ミニチュア・ダックスフンドが挙げられます。

彼らはその特徴的な「胴長短足」の体型から、背骨にかかる負担が大きく、椎間板ヘルニアの好発犬種として非常によく知られています。

実際に動物病院に来院する椎間板ヘルニアの症例のうち、ダックスフンドが占める割合は非常に高いです。

他にも、以下のような犬種が軟骨異栄養性犬種に含まれ、注意が必要です。

  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • ビーグル
  • シーズー
  • ペキニーズ
  • フレンチ・ブルドッグ
  • パグ

これらの犬種は、遺伝的に椎間板の水分が失われやすく、硬化(変性)するのが早い傾向にあります。

変性した椎間板は弾力性を失い、少しの衝撃でも損傷しやすくなるため、若くてもヘルニアを発症しやすいのです。

一方で、軟骨異栄養性犬種以外でもヘルニアは起こります。

特に、柴犬やゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパードといった中型〜大型犬では、加齢に伴って発症することが多いです。

これらの犬種では、長年の負荷が積み重なって椎間板がゆっくりと変形し、脊髄を圧迫するタイプのヘルニアが見られます。

犬のヘルニアの原因を考える上で、犬種が持つ遺伝的素因は非常に大きな要素と言えるでしょう。

愛犬がこれらの好発犬種に該当する場合、特に日常生活での背骨への負担を軽減する工夫が重要になります。

例えば、ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降りをさせない、滑りやすい床にはマットを敷く、肥満にならないように体重管理を徹底するといった配慮が、発症リスクを低減させることにつながります。

もちろん、好発犬種でないからといって安心はできません。

どのような犬でも、背骨に過度な負担がかかる生活を続けていれば、ヘルニアになる可能性は十分にあります。

愛犬の犬種と特徴を理解し、それぞれに合ったケアをしてあげることが大切です。

原因は加齢による椎間板の変性

犬のヘルニアの原因として、遺伝と並んで非常に大きな要因となるのが「加齢」です。

人間が年齢を重ねるとともに足腰が弱くなるように、犬もまた、年齢とともに体の様々な部分に変化が生じます。

その中でも、椎間板の変化はヘルニア発症に直結する重要な要素です。

椎間板は、背骨を構成する一つ一つの椎骨の間にあり、クッションのような役割を果たしています。

中心部には「髄核」というゼリー状の組織があり、その周りを「線維輪」という丈夫な組織が取り囲んでいます。

若い頃の髄核は水分を豊富に含み、高い弾力性を持っています。

これにより、犬がジャンプしたり走ったりする際の衝撃を効果的に吸収し、背骨や脊髄を守ることができるのです。

しかし、年齢を重ねるにつれて、この椎間板に変化が起こります。

これを「変性」と呼びます。

加齢による変性の最も大きな特徴は、髄核の水分量が減少していくことです。

水分を失った髄核は、みずみずしいゼリー状から、乾燥して硬いチーズのような状態に変わっていきます。

弾力性が失われた椎間板は、クッションとしての機能を十分に果たせなくなります。

さらに、髄核を囲んでいる線維輪も、年齢とともに劣化してもろくなっていきます。

このような状態で背骨に強い力が加わると、劣化した線維輪が断裂し、中から変性した髄核が飛び出してしまいます。

この飛び出した髄核が、すぐそばを通っている脊髄神経を圧迫することで、痛みや麻痺といったヘルニアの症状が引き起こされるのです。

特に中〜高齢の犬(一般的に7歳以上)では、この加齢による椎間板の変性が犬のヘルニアの主な原因となります。

このタイプのヘルニアは、特定の犬種に限らず、どのような犬にも起こりうるものです。

長年にわたる日常生活での負荷、例えば階段の上り下りや激しい運動、肥満などが、椎間板の劣化を助長し、発症の引き金となることがあります。

加齢による体の変化は自然なことであり、完全に防ぐことはできません。

しかし、日頃から愛犬の体重管理に気を配り、背骨に負担のかからない生活環境を整えてあげることで、椎間板へのダメージを最小限に抑え、ヘルニアの発症リスクを軽減することは可能です。

シニア期に入った愛犬の動きを注意深く観察し、少しでも異変を感じたら早めに動物病院に相談することが、早期発見と早期治療につながります。

原因は遺伝による軟骨異栄養症

犬のヘルニアの原因を語る上で、遺伝的要因、特に「軟骨異栄養症」は避けて通れない重要なテーマです。

軟骨異栄養症とは、遺伝的に軟骨の形成や成長に異常が見られる体質のことを指します。

この体質を持つ犬種を「軟骨異栄養性犬種」と呼び、彼らは椎間板ヘルニアを非常に発症しやすいことが知られています。

代表的な犬種は、ミニチュア・ダックスフンド、ウェルシュ・コーギー、ビーグル、シーズー、フレンチ・ブルドッグなどです。

彼らの多くが持つ「胴長短足」という愛らしい体型は、実はこの軟骨異栄養症という遺伝的特徴によってもたらされています。

では、なぜこの体質がヘルニアに繋がりやすいのでしょうか。

理由は、椎間板の早期変性にあります。

通常、椎間板の中心にある髄核は、成長後も水分を保持し弾力性を保ち続けます。

しかし、軟骨異栄養性犬種では、遺伝子の働きにより、生後早い段階から髄核の水分が失われ、軟骨組織が石灰のように硬くなる「軟骨様化生」という変化が起こります。

この変化は、なんと1歳齢から2歳齢という非常に若い時期に始まります。

若くして弾力性を失った椎間板は、衝撃を吸収する能力が著しく低下します。

そのため、日常の何気ない動作、例えばソファからの飛び降り、飼い主さんとの激しい遊び、急な方向転換といった些細なきっかけで、もろくなった線維輪が破れ、硬化した髄核が脊髄に向かって飛び出してしまうのです。

これが、若年性の椎間板ヘルニア(ハンセンⅠ型)であり、軟骨異栄養性犬種に多発するタイプです。

症状が急激に現れ、重度の麻痺に陥りやすいのが特徴です。

つまり、これらの犬種にとって犬のヘルニアの原因は、単なる生活習慣の問題だけでなく、生まれ持った遺伝的な素因が大きく関わっているということです。

この事実を理解することは、飼い主さんにとって非常に重要です。

「うちの子はまだ若いから大丈夫」という考えは、これらの犬種には当てはまりません。

むしろ、若くて元気で活発な時期こそ、最も注意が必要な時期なのです。

遺伝的素因そのものを変えることはできませんが、発症のリスクを管理することは可能です。

背骨に負担をかけない生活を子犬の頃から徹底することが、何よりの予防策となります。

体重管理、段差の解消、滑らない床材の選択、正しい抱き方の実践など、飼い主さんができることはたくさんあります。

愛犬が好発犬種である場合は、ヘルニアのリスクを常に念頭に置き、日々のケアに取り組むことが求められます。

日常生活でできるヘルニアの予防

犬のヘルニアは、一度発症すると愛犬に大きな苦痛を与えるだけでなく、治療にも時間と費用がかかります。

だからこそ、日常生活における「予防」が非常に重要になります。

犬のヘルニアの原因となる背骨への負担を、日々の生活の中でいかに軽減してあげるかが鍵となります。

ここでは、家庭で実践できる具体的な予防策をいくつか紹介します。

1. 体重管理の徹底

肥満は、背骨にとって最大の敵です。

体重が増えれば、それだけ椎間板にかかる圧力も増大します。

特に、ダックスフンドやコーギーのような胴長の犬種では、肥満がヘルニアの直接的な引き金になるケースが非常に多いです。

適切な食事管理と適度な運動を心がけ、愛犬の理想体重を維持することが最も基本的な予防策です。

2. 生活環境の見直し

室内での生活環境にも、ヘルニアのリスクは潜んでいます。

  • 滑りやすい床材の改善:フローリングは犬の足腰に大きな負担をかけます。カーペットやコルクマットなどを敷き、滑りにくい環境を整えましょう。
  • 段差の解消:ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降りは、着地の際に背骨に強い衝撃を与えます。ペット用のスロープやステップを設置し、段差をなくす工夫をしましょう。階段の上り下りも、可能な限り避けるのが理想です。
  • 高い場所での食事を避ける:不自然な姿勢で食事を続けることも、首や背中に負担をかけます。適切な高さの食器台を用意してあげると良いでしょう。

3. 運動や遊び方の工夫

運動は健康維持に不可欠ですが、過度な運動や背骨に負担のかかる遊びは避けるべきです。

急な方向転換やジャンプを繰り返すような遊び(フリスビーなど)、犬同士の激しいプロレスごっこは注意が必要です。

また、散歩の際には、首輪ではなく胴輪(ハーネス)を使用することで、首への負担を軽減できます。

4. 正しい抱き方

犬を抱き上げる際にも注意が必要です。

前足だけを持って持ち上げたり、縦に抱いたりすると、背骨が不自然な形で伸びてしまい、大きな負担がかかります。

抱き上げる際は、必ず片手でお尻と後ろ足を支え、もう一方の手で胸のあたりを支え、背骨が地面と平行になるように意識しましょう。

5. 定期的な健康チェック

日頃から愛犬の様子をよく観察し、歩き方に変化はないか、背中を触られるのを嫌がらないかなど、小さなサインを見逃さないようにしましょう。

また、定期的に動物病院で健康診断を受け、獣医師に背骨の状態などをチェックしてもらうことも大切です。

これらの予防策は、どれも今日から始められることばかりです。

愛犬の犬種や年齢、性格に合わせて、無理のない範囲で生活に取り入れていくことが、ヘルニアから愛犬を守るための最も効果的な方法と言えるでしょう。

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犬のヘルニアの原因を特定する検査と治療法

◆この章のポイント◆

  • 動物病院で行われる詳しい検査方法
  • 内科療法を中心としたヘルニアの治療
  • 外科手術が必要になるケースとは
  • 機能回復を目指すリハビリテーション
  • 早期発見が重要な犬のヘルニアの原因のまとめ

動物病院で行われる詳しい検査方法

愛犬にヘルニアが疑われる症状が見られた場合、動物病院では正確な診断を下すために、いくつかの詳しい検査が行われます。

犬のヘルニアの原因を特定し、どの部位で、どの程度の問題が起きているのかを正確に把握することが、適切な治療方針を立てるための第一歩となるからです。

検査は、段階的に進められるのが一般的です。

1. 問診と身体検査

まず、飼い主さんから症状がいつから始まったか、どのような様子か、きっかけに心当たりはあるかなど、詳しく話を聞きます(問診)。

その後、獣医師が犬の体を触って痛がる場所を確認したり、歩き方を観察したりします。

2. 神経学的検査

これは、神経機能の異常を調べるための非常に重要な検査です。

獣医師は、犬の足を持ち上げて正常な位置に戻るか(固有位置覚)、膝を叩いて足が伸びるか(膝蓋腱反射)などをチェックします。

さらに、足先をつねって痛みを感じるか(表在痛覚・深部痛覚)を調べることで、麻痺の重症度(グレード)を判断します。

これらの反応を見ることで、脊髄のどのあたりに障害があるのかを大まかに推測することができます。

3. 画像検査

神経学的検査で異常が見つかった場合、より詳しく原因を特定するために画像検査に進みます。

  • レントゲン検査:背骨の全体的な形や、椎骨と椎骨の間が狭くなっていないか、椎間板が石灰化していないかなどを確認します。レントゲンだけでは飛び出した椎間板物質そのものを写し出すことはできませんが、ヘルニアが起こりやすい場所を特定するのに役立ちます。
  • 脊髄造影検査(ミエログラフィー):脊髄の周りにある空間に造影剤を注入してからレントゲン撮影を行う検査です。ヘルニアによって脊髄が圧迫されている部分があると、造影剤の流れが途切れて見えるため、圧迫部位を正確に特定できます。ただし、犬に全身麻酔をかけ、造影剤を注入する必要があるため、ある程度のリスクを伴います。
  • CT検査・MRI検査:これらは、より高度な画像診断装置です。CT検査は骨の異常を、MRI検査は神経や椎間板などの軟部組織を非常に鮮明に描き出すことができます。特にMRI検査は、脊髄の圧迫状況や損傷の程度を最も詳しく評価できるため、椎間板ヘルニアの確定診断や手術計画を立てる上で非常に有用な検査とされています。これらの検査も全身麻酔が必要です。

どの検査を行うかは、犬の症状の重症度や状態、そして各動物病院の設備によって異なります。

例えば、症状が軽度(グレード1〜2)であれば、神経学的検査とレントゲン検査で様子を見ることもあります。

一方で、重度の麻痺(グレード3以上)が見られ、手術を検討する場合には、圧迫部位を正確に特定するために、脊髄造影検査やCT・MRI検査が必要不可欠となります。

これらの検査によって、犬のヘルニアの原因となっている場所と状態を正確に突き止め、それぞれの犬に合った最適な治療法を選択していくことになるのです。

内科療法を中心としたヘルニアの治療

犬の椎間板ヘルニアの治療法は、大きく「内科療法」と「外科療法(手術)」の2つに分けられます。

どちらの治療法を選択するかは、前述のグレード分類(症状の重症度)によって決まるのが一般的です。

ここでは、比較的症状が軽い場合に選択される「内科療法」について詳しく解説します。

内科療法が主に適用されるのは、グレード1(痛みのみ)やグレード2(ふらつきはあるが歩行可能)の症例です。

麻痺が軽度で、脊髄へのダメージがそれほど深刻ではないと考えられる場合に、手術をせずに症状の改善を目指します。

内科療法の中心となるのは、以下の2つの柱です。

1. 絶対安静(ケージレスト)

内科療法において最も重要なのが、徹底した安静です。

これを「ケージレスト」と呼びます。

犬が自由に動き回れるスペース(ケージやサークル)に犬を入れ、運動を厳しく制限します。

期間は症状によって異なりますが、一般的には数週間から1ヶ月以上続けます。

安静にすることで、炎症を起こしている椎間板周辺の組織が回復するのを助け、それ以上ヘルニア物質が飛び出して症状が悪化するのを防ぎます。

飼い主さんにとっては、元気な愛犬をケージに閉じ込めておくのは心苦しいかもしれませんが、これが症状を改善させるための最短の道です。

トイレや食事以外はケージの中で過ごさせ、散歩も中止します。

この安静期間を徹底できるかどうかが、内科療法の成否を大きく左右します。

2. 投薬治療

ケージレストと並行して、薬による治療も行います。

主な目的は、痛みの緩和と炎症を抑えることです。

  • 消炎鎮痛剤(NSAIDs):炎症を抑え、痛みを和らげる薬です。ヘルニアによる神経の炎症を鎮める効果が期待できます。
  • ステロイド剤:強力な抗炎症作用があり、脊髄の腫れ(浮腫)を軽減させる目的で使用されます。副作用のリスクもあるため、獣医師の指導のもと慎重に投与されます。
  • ビタミンB12:傷ついた神経の修復を助ける効果があるとされ、補助的に使用されることがあります。
  • 鎮痛薬:痛みが非常に強い場合には、他の鎮痛薬が併用されることもあります。

これらの薬によって痛みが和らぐと、犬は元気になったように見え、動き回ろうとすることがあります。

しかし、ここで油断して運動を許可してしまうと、症状が再発したり、さらに悪化したりする危険性が非常に高いです。

薬はあくまで症状を抑えているだけであり、根本的な原因が治ったわけではないことを理解し、獣医師の指示通りに安静を続けることが何よりも大切です。

内科療法は、犬の体にメスを入れないというメリットがありますが、再発のリスクは常に伴います。

治療中は、症状が改善しているか、あるいは悪化していないかを注意深く観察し、定期的に獣医師の診察を受ける必要があります。

外科手術が必要になるケースとは

犬のヘルニアの治療において、内科療法で改善が見られない場合や、症状が重度である場合には、外科手術が選択されます。

手術は、犬の体への負担やリスク、費用もかかるため、慎重な判断が求められますが、麻痺からの回復のためには最善かつ唯一の選択肢となることも少なくありません。

では、具体的にどのようなケースで外科手術が必要になるのでしょうか。

一般的には、以下のような状況で手術が強く推奨されます。

1. 麻痺のグレードが高い場合

症状のグレード分類で、グレード3(自力で歩行できない)以上に進行している場合は、手術の適応となります。

特に、グレード4(完全麻痺だが深部痛覚あり)やグレード5(完全麻痺で深部痛覚もなし)では、脊髄への圧迫が非常に強く、神経の損傷が深刻であるため、緊急手術が必要となることが多いです。

神経は一度重度のダメージを受けると回復が難しくなるため、時間との勝負になります。

特にグレード5では、発症から48時間以内に手術を行えるかどうかで、回復率が大きく変わると言われています。

2. 内科療法で改善しない、または悪化する場合

グレード1や2の比較的軽度な症状で内科療法(安静と投薬)を開始したものの、一定期間治療を続けても症状が改善しない、あるいは逆に悪化してしまう場合にも、手術が検討されます。

内科療法でコントロールできないほどの圧迫が続いている可能性が考えられます。

3. 激しい痛みがコントロールできない場合

麻痺の程度は軽くても、投薬では抑えきれないほどの激しい痛みが続く場合も、手術の適応となることがあります。

痛みは犬にとって大きなストレスであり、生活の質(QOL)を著しく低下させます。

原因となっている圧迫を取り除くことで、痛みを根本的に解消することが目的です。

4. 何度も再発を繰り返す場合

内科療法で一度は良くなっても、すぐに再発を繰り返してしまう症例です。

再発のたびに脊髄はダメージを受け、徐々に状態が悪化していく可能性があります。

根本的な原因を取り除くために、手術が推奨されることがあります。

椎間板ヘルニアの手術の目的は、「原因となっている椎間板物質を物理的に取り除き、脊髄への圧迫を解除すること(減圧)」です。

手術方法は、ヘルニアが発生した部位(首か胸腰部か)や状態によって異なりますが、背骨の一部を削って窓を開け、そこから原因物質を摘出するのが一般的な術式です。

手術には全身麻酔のリスクや術後の合併症のリスクも伴いますが、成功すれば劇的に症状が改善する可能性を秘めています。

獣医師から手術を提案された際は、その必要性、成功率、リスク、費用、そして術後のケアについて十分に説明を受け、愛犬にとって最善の選択をすることが重要です。

機能回復を目指すリハビリテーション

犬のヘルニアの治療は、手術や内科療法が終われば完了、というわけではありません。

むしろ、そこからが機能回復を目指す新たなスタート地点となります。

特に、長期間の安静や手術によって筋力が低下したり、神経麻痺が残ったりした場合には、「リハビリテーション」が非常に重要な役割を果たします。

リハビリの目的は、単に歩けるようにすることだけではありません。

残された機能を最大限に引き出し、痛みを和らげ、関節が硬くなるのを防ぎ、最終的には愛犬の生活の質(QOL)を向上させることを目指します。

リハビリは、獣医師や専門の理学療法士の指導のもと、計画的に行うことが大切です。

家庭でできるものから、専門施設で行うものまで、様々な方法があります。

家庭でできるリハビリ

  • マッサージ:麻痺している足や、安静で凝り固まった筋肉を優しく揉みほぐします。血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
  • 関節可動域訓練(ストレッチ):麻痺した足の関節が硬くならないように、ゆっくりと曲げ伸ばしを行います。痛みを感じさせない範囲で、優しく行うことが重要です。
  • 起立・歩行訓練:少しずつ回復してきたら、タオルなどでお腹を支えながら立たせたり、歩かせたりする練習をします。最初は短い時間から始め、徐々に時間を延ばしていきます。

専門施設で行うリハビリ

  • 水中トレッドミル(ハイドロセラピー):水の浮力を利用して、関節に負担をかけずに歩行訓練ができるリハビリです。水の抵抗が筋肉を鍛え、温かい水が血行を促進し痛みを和らげる効果も期待できます。回復期の犬にとって非常に効果的なリハビリ方法とされています。
  • レーザー療法:特殊な光を患部に照射することで、痛みを和らげ、炎症を抑え、細胞の修復を促進する治療法です。痛みの管理に役立ちます。
  • バランスボールなどを使った訓練:バランスボールなどの器具を使い、体幹(コアマッスル)を鍛える訓練です。体のバランス感覚を取り戻し、正しい歩行をサポートします。

リハビリは、根気と時間が必要です。

すぐに目に見える効果が現れないことも多く、飼い主さんも焦りを感じるかもしれません。

しかし、日々の小さな積み重ねが、愛犬の回復へと繋がっていきます。

大切なのは、愛犬のペースに合わせて、無理なく楽しみながら続けることです。

リハビリの過程は、愛犬との絆を深める貴重な時間にもなります。

獣医師とよく相談しながら、愛犬に合ったリハビリ計画を立て、二人三脚で機能回復を目指していきましょう。

早期発見が重要な犬のヘルニアの原因のまとめ

ここまで、犬のヘルニアの原因から症状、治療、予防に至るまで詳しく解説してきました。

愛犬の背中に潜むこの病気は、時に深刻な麻痺を引き起こし、犬と飼い主さんの生活を一変させてしまう可能性があります。

だからこそ、この記事で繰り返しお伝えしてきたように、早期発見と早期対応が何よりも重要になります。

犬のヘルニアの原因は、ミニチュア・ダックスフンドのような軟骨異栄養性犬種が持つ遺伝的素因や、年齢を重ねることによる椎間板の自然な変性など、完全に避けることが難しい要因も含まれています。

しかし、肥満の防止や生活環境の改善といった予防策を講じることで、発症のリスクを大幅に軽減できることも事実です。

飼い主さんに最もお願いしたいのは、日頃から愛犬の様子を注意深く観察することです。

「何となく元気がない」「背中を丸めている」「階段を嫌がるようになった」「歩き方が少しおかしい」といった、ほんの些細な変化が、ヘルニアの初期症状である可能性があります。

これらのサインを見逃さず、「年のせいかな?」と自己判断せずに、できるだけ早く動物病院を受診してください。

症状が軽度なうちに治療を開始できれば、内科療法で改善する可能性も高まりますし、万が一手術が必要になった場合でも、早期であればあるほど回復の予後も良好です。治療法の選択肢を広げ、愛犬の体への負担を最小限にするためにも、早期発見は不可欠なのです。

愛犬の健康を守れるのは、一番近くにいる飼い主さんだけです。

この記事で得た知識を、ぜひ日々の愛犬との生活に役立ててください。

そして、少しでも不安なことがあれば、ためらわずに専門家である獣医師に相談しましょう。

それが、愛犬をヘルニアの苦しみから救い、長く健やかな毎日を共に過ごすための最も確実な方法です。

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本日のまとめ

  • 犬のヘルニアの主な原因は遺伝と加齢
  • 症状は痛みから完全な麻痺まで5段階のグレードに分類される
  • ダックスフンドやコーギーは遺伝的にヘルニアになりやすい
  • 加齢により椎間板が弾力性を失うことが原因になる
  • 肥満防止や段差解消が日常生活でできる重要な予防策
  • 動物病院では神経学的検査や画像検査で診断する
  • 治療法は症状のグレードによって選択される
  • 軽度の場合は安静と投薬による内科療法が中心
  • 重度の麻痺がある場合は外科手術が必要になる
  • 手術は脊髄の圧迫を取り除くことが目的
  • 治療後は機能回復のためのリハビリが非常に重要
  • リハビリにはマッサージや水中訓練などがある
  • 「歩き方がおかしい」など初期症状の見極めが大切
  • 早期発見と早期治療が回復の鍵を握る
  • 異変を感じたらすぐに動物病院を受診することが最善策

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参考サイト
犬の椎間板ヘルニアの症状・原因と治療法について獣医師が解説 – 価格.com
【獣医師監修】犬の椎間板ヘルニアってどんな病気?~症状と原因 – SBIプリズム少短
犬の椎間板ヘルニアの原因・症状と治療法 | ペット保険のアイペット損保
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