こんにちは、管理人のdoggoです
これまで完璧だったはずの愛犬が、急にトイレを失敗するようになってしまい、どうすれば良いか分からず悩んでいませんか。
成犬になってからのトイレの失敗は、飼い主さんにとって大きなストレスですし、ワンちゃん自身も何か問題を抱えているサインかもしれません。
しかし、諦める必要は全くありません。
成犬のトイレトレーニングのやり直しは、子犬の時とは少し違ったアプローチが必要ですが、正しい知識と手順を踏めば、必ず改善できます。
この記事では、まず成犬がトイレを失敗するようになってしまう根本的な原因を深く探ります。
その原因は、単純なしつけの問題だけでなく、ストレスや環境の変化、あるいは何らかの病気の可能性も考えられます。
特に、オス犬によく見られるマーキング行動との違いを理解することは、適切な対策を講じる上で非常に重要です。
また、愛犬が安心して排泄できるトイレの場所の選び方や環境作りについても詳しく解説します。
その上で、具体的なトレーニング方法として、どうすれば成功体験を増やすことができるのか、そのコツを伝授します。
さらに、効果的な褒め方と、絶対にやってはいけない叱り方についても触れていきます。
トレーニングをサポートしてくれるおすすめグッズの紹介や、飼い主さんが根気よく続けるための心構えについても言及し、総合的にサポートします。
愛犬との信頼関係を再構築し、快適な毎日を取り戻すために、この記事がお役に立てれば幸いです。
◆このサイトでわかる事◆
- 成犬がトイレを失敗する主な原因
 - ストレスや環境変化が与える影響
 - マーキング行動と粗相の見分け方
 - トイレトレーニング失敗の裏にある病気の可能性
 - やり直しを成功させる具体的な手順とコツ
 - 効果的な褒め方と絶対に避けるべき叱り方
 - トレーニングを続けるための飼い主の心構え
 
成犬のトイレトレーニングのやり直しで知るべき原因
◆この章のポイント◆
- なぜ?トイレを失敗するようになった3つの理由
 - ストレスサインかも?生活環境の変化をチェック
 - オス犬に多いマーキングとの違いと見分け方
 - 失敗が増えたら考えたい病気の可能性について
 - トイレの場所は愛犬にとって快適か確認しよう
 
なぜ?トイレを失敗するようになった3つの理由
成犬になってからトイレの失敗が目立つようになると、飼い主としては「どうして急に?」と戸惑ってしまいますね。
しかし、犬がトイレを失敗するのには、必ず何らかの理由が隠されています。
その原因を理解することが、成犬のトイレトレーニングのやり直しにおける第一歩と言えるでしょう。
主な理由として、大きく分けて「身体的な問題」「精神的な問題」「環境的な問題」の3つが考えられます。
まず、身体的な問題です。
加齢による筋力の低下や、泌尿器系の病気が原因で、トイレまで我慢できなくなっている可能性があります。
特にシニア犬(老犬)の場合、膀胱の機能が衰えたり、関節の痛みでトイレに行くのが億劫になったりすることがあります。
急に失敗が増えた、おしっこの色や匂いがいつもと違う、水を飲む量が増えたなどの変化が見られる場合は、病気のサインかもしれません。
次に、精神的な問題が挙げられます。
犬は非常に繊細な動物であり、ストレスを感じるとトイレの失敗という形でサインを出すことがあります。
引っ越しや家族構成の変化、長時間の留守番など、犬にとっての大きな環境の変化は、強いストレス要因となり得ます。
また、飼い主とのコミュニケーション不足や、運動不足もストレスにつながるため、日々の生活を見直す必要があるでしょう。
最後に、環境的な問題です。
トイレの場所が落ち着かない、トイレシーツが汚れている、トイレトレーの大きさが体に合っていないなど、トイレ環境そのものに問題があるケースも少なくありません。
犬はきれい好きな動物なので、不衛生な場所では排泄をためらうことがあります。
これらの3つの視点から原因を探ることで、なぜ愛犬がトイレを失敗するようになったのか、その根本的な理由が見えてきます。
単に「しつけができていない」と叱るのではなく、まずは愛犬が送っているサインを注意深く観察し、その背景にある問題点を突き止めることが、解決への最も重要な鍵となるのです。
原因が分かれば、適切な対策を講じることができ、トレーニングの成功率も格段に上がります。
ストレスサインかも?生活環境の変化をチェック
犬にとって、生活環境の変化は非常に大きなストレス要因となり、それがトイレの失敗に直結することがよくあります。
もし愛犬のトイレの失敗が急に始まったのであれば、最近の生活に何か変化がなかったか、一度じっくりと振り返ってみることが大切です。
成犬のトイレトレーニングのやり直しを始める前に、まずはストレスの原因を取り除いてあげることが先決かもしれません。
具体的に、どのような変化がストレスにつながるのでしょうか。
- 引っ越しによる住環境の変化
 - 家族構成の変化(新しい家族が増えた、誰かが家を出たなど)
 - 飼い主の生活リズムの変化(転職、勤務時間の変更など)
 - 長時間の留守番が増えた
 - 新しいペットを迎えた
 - 家の模様替えをした
 
これらの変化は、人間にとっては些細なことに思えるかもしれませんが、犬にとっては縄張りの環境が大きく変わる一大事です。
特に、引っ越しや新しいペットの存在は、犬に大きな不安や縄張り意識を抱かせ、トイレの失敗やマーキング行動を引き起こす原因となります。
また、飼い主の生活リズムが変わることで、散歩の時間や食事の時間が不規則になると、犬の体内時計が乱れ、排泄のタイミングがずれてしまうこともあります。
留守番の時間が長くなることも、分離不安を引き起こし、ストレスから粗相をしてしまう犬は少なくありません。
もし、これらの環境変化に心当たりがある場合は、まず愛犬が新しい環境に安心して慣れることができるように、最大限の配慮をしてあげましょう。
例えば、以前から使っている愛犬の匂いがついたベッドやおもちゃを新しい部屋に置いてあげる、留守番の前に十分な運動をさせてあげる、などの工夫が有効です。
犬が「ここは安全な場所だ」と感じることができれば、ストレスが軽減され、トイレの失敗も自然と減っていく可能性があります。
環境の変化は避けられないこともありますが、その変化が愛犬に与える影響を理解し、不安を取り除く努力をすることが、飼い主として非常に重要な役割なのです。
オス犬に多いマーキングとの違いと見分け方
成犬、特に去勢手術をしていないオス犬のトイレの失敗でよく見られるのが「マーキング」です。
マーキングは、自分の縄張りを主張したり、他の犬への情報伝達のために行われる行動で、通常の排泄とは目的が異なります。
成犬のトイレトレーニングのやり直しを効果的に進めるためには、愛犬の行動が単なるトイレの失敗(粗相)なのか、それともマーキングなのかを正しく見極めることが不可欠です。
では、通常の排泄とマーキングはどのように見分ければよいのでしょうか。
いくつかのポイントに注目することで、その違いを判断することができます。
| 特徴 | 通常の排泄(粗相) | マーキング | 
|---|---|---|
| 目的 | 体内の老廃物を排出するため | 縄張り主張、自己アピール | 
| 量 | 一度にまとまった量を出す | 少量を数回に分けてかける | 
| 場所 | 床やカーペットなど水平な場所 | 柱、家具の脚、壁など垂直な場所 | 
| 体勢 | 腰を低く落として排尿する | 片脚を高く上げて排尿する | 
| 状況 | 生理現象として我慢できずに漏らす | 新しい物や来客があった時、散歩中など | 
最も分かりやすい違いは、おしっこの「量」と「場所」です。
通常の排泄であれば、膀胱に溜まった尿をすべて出し切ろうとするため、床に大きな水たまりができます。
一方、マーキングは自分の匂いを多くの場所に残すことが目的であるため、足を上げて少量の尿を壁や家具などに引っ掛けるようにします。
この行動は、自分の存在をより高い位置でアピールしようとする本能的なものです。
もし愛犬の行動がマーキングであると判断された場合、アプローチの方法も変わってきます。
マーキングは、不安や興奮、縄張り意識の高まりが原因であることが多いため、去勢手術が有効な選択肢の一つとなる場合があります。
また、家の中での縄張り意識を過剰に刺激しないよう、窓の外に他の犬が見えないようにする、来客時にはケージに入れるなどの環境整備も効果的です。
マーキングされた場所は、臭いが残っていると繰り返し同じ場所でしてしまうため、ペット用の消臭剤を使って徹底的に掃除することも忘れてはいけません。
このように、粗相とマーキングの違いを正しく理解し、それぞれの原因に合った対策を講じることが、問題解決への近道となります。
失敗が増えたら考えたい病気の可能性について
これまで問題なくトイレができていた成犬が、急に失敗するようになった場合、しつけの問題やストレスだけでなく、何らかの病気が隠れている可能性を疑う必要があります。
特に、他に変わった様子がないのに粗相の回数だけが増えているケースでは、身体的な異常が原因であることも少なくありません。
成犬のトイレトレーニングのやり直しを始める前に、まずは健康状態を確認し、病気の可能性を排除しておくことが非常に重要です。
トイレの失敗に関連する可能性のある病気には、以下のようなものが挙げられます。
- 膀胱炎や尿路結石:排尿時に痛みを感じたり、頻尿になったりします。残尿感から何度もトイレに行きたがり、間に合わずに漏らしてしまうことがあります。血尿が見られることもあります。
 - 腎臓病:腎臓の機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、薄いおしっこを大量にするようになります。そのため、水を飲む量が増え、トイレの回数も増えて失敗につながります。
 - 糖尿病やクッシング症候群:これらの内分泌系の病気は、多飲多尿を引き起こす代表的なものです。異常に水を飲み、おしっこの量が増えるため、トイレの失敗が目立つようになります。
 - 椎間板ヘルニアなど:足腰に痛みや麻痺があると、トイレの姿勢をとるのが辛かったり、トイレまで移動するのが困難になったりして、その場で粗相をしてしまうことがあります。
 - 認知症(高齢犬の場合):人間と同じように犬も認知症になると、トイレの場所が分からなくなったり、粗相の認識がなくなったりすることがあります。
 
もし、トイレの失敗とあわせて、以下のようなサインが見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
- 水を飲む量やおしっこの量が異常に増えた
 - おしっこの色がおかしい(血が混じる、濃すぎる、薄すぎる)
 - 排尿時に痛そうに鳴いたり、力んだりする
 - 元気や食欲がない、体重が減ってきた
 - 歩き方がおかしい、段差を嫌がる
 
獣医師による診察や検査を受けることで、病気が原因であれば早期に発見し、適切な治療を開始できます。
病気の治療によって、トイレの失敗が改善されるケースは非常に多いのです。
飼い主の自己判断で「しつけの問題だ」と決めつけて叱ってしまうと、病気の発見が遅れるだけでなく、愛犬に不要なストレスを与えてしまうことにもなりかねません。
愛犬の健康を守るためにも、少しでも気になる様子があれば、まずは専門家である獣医師に相談しましょう。
トイレの場所は愛犬にとって快適か確認しよう
成犬のトイレトレーニングのやり直しを考える際、意外と見落としがちなのが「トイレ環境」そのものです。
犬が安心して快適に排泄できる環境が整っていなければ、どんなにトレーニングを頑張っても成功は難しいでしょう。
犬は本来、寝床や食事場所から離れた、静かで落ち着ける場所で排泄することを好む習性があります。
今一度、愛犬のトイレの場所が適切かどうか、以下のポイントを確認してみましょう。
静かで落ち着ける場所か
トイレが人の出入りが激しい廊下や、テレビの音がうるさいリビングの真ん中などに設置されていませんか。
犬は排泄中、非常に無防備な状態になるため、周囲が騒がしいと落ち着いて用を足すことができません。
部屋の隅や、家具の陰など、少し隠れられるようなプライベートな空間を選んであげると良いでしょう。
寝床や食事場所から離れているか
犬はきれい好きな動物なので、自分の寝床やご飯を食べる場所のすぐ近くで排泄することを嫌います。
もし、ケージやサークルの中にベッドとトイレを一緒に入れている場合は、できるだけ距離を離して設置する、あるいはケージの外にトイレを設置するなどの工夫が必要です。
トイレのサイズは適切か
犬は排泄の前に、その場でクルクルと回って場所を決める習性があります。
トイレトレーが小さすぎると、この一連の動作がしにくく、トレーからはみ出してしまったり、トイレ自体を嫌がったりする原因になります。
愛犬が体の向きを楽に変えられるよう、体長の1.5倍程度の大きさのトイレトレーを用意してあげるのが理想的です。
清潔に保たれているか
汚れたトイレシーツの上で排泄するのを嫌がる犬は非常に多いです。
一度でもおしっこをしたシーツには二度としない、というきれい好きな子もいます。
トイレシーツはこまめに取り替え、常に清潔な状態を保つことを心がけましょう。
特に留守番中はシーツを取り替えられないため、複数枚敷いておく、吸収性の高いシーツを使うなどの対策が有効です。
もし現在のトイレ環境に問題点が見つかったら、すぐに改善してあげましょう。
トイレを快適な場所にしてあげるだけで、失敗が劇的に減ることもあります。
愛犬の気持ちになって、安心して過ごせるトイレ環境を整えることは、成犬のトイレトレーニングのやり直しを成功させるための重要な基盤となるのです。
成功に導く成犬のトイレトレーニングのやり直し方
◆この章のポイント◆
- 基本の教え方!成功体験を増やすコツとは
 - 上手な褒め方と絶対にNGな叱り方
 - トレーニングに役立つおすすめの便利グッズ
 - 留守番中でも安心できるトイレ環境の作り方
 - 焦りは禁物!根気よく続けるための心構え
 - まとめ:愛犬との信頼を築く成犬のトイレトレーニングのやり直し
 
基本の教え方!成功体験を増やすコツとは
成犬のトイレトレーニングのやり直しは、子犬の時とは異なり、一度ついてしまった習慣を修正する必要があるため、より一層の根気と工夫が求められます。
しかし、基本的な考え方は同じで、「トイレで排泄すると良いことがある」と犬に学習させ、成功体験を積み重ねていくことが最も重要です。
ここでは、やり直しのための基本的なステップと、成功体験を増やすための具体的なコツをご紹介します。
ステップ1:トイレの場所を再認識させる
まずは、もう一度「ここがトイレである」ということを根気強く教えるところから始めます。
犬が排泄しそうなタイミング(寝起き、食後、水を飲んだ後、遊んだ後など)を見計らって、トイレの場所に連れて行きます。
そして、「ワンツー、ワンツー」や「シーシー」など、排泄を促す掛け声をかけ続けます。
この時、サークルやクレートで囲ったスペースにトイレを設置し、その中で排泄するまで出すのを待つのも効果的です。
ステップ2:成功したら、すかさず褒める
もし、トイレの場所で無事に排泄できたら、その瞬間に、これ以上ないというくらい大げさに褒めてあげましょう。
「すごいね!」「えらい!」と高い声で褒めながら、頭や体を撫でてあげたり、特別なおやつをあげたりします。
この「トイレで排泄する→すぐに最大級の褒め言葉とおやつがもらえる」という一連の流れを繰り返すことで、犬はトイレでの排泄をポジティブなこととして学習していきます。
褒めるタイミングは、排泄が終わった直後、まさにその場で褒めることが重要です。
時間が経ってから褒めても、犬は何を褒められたのか理解できません。
成功体験を増やすためのコツ
成功率を上げるためには、飼い主が犬の排泄タイミングを正確に予測し、失敗する前に行動することが鍵となります。
- 行動記録をつける:食事の時間、水を飲んだ時間、排泄した時間と場所を記録することで、愛犬の排泄サイクルが見えてきます。サイクルが分かれば、トイレに連れて行くタイミングを予測しやすくなります。
 - 排泄のサインを見逃さない:床の匂いをクンクン嗅ぎ始める、そわそわと歩き回る、クルクルと回り始める、といった行動は排泄のサインです。このサインを見つけたら、すぐにトイレへ誘導しましょう。
 - 環境を制限する:トレーニング中は、飼い主の目が届かない場所で犬を自由にさせないようにしましょう。サークルやリードを活用して行動範囲を制限することで、失敗を防ぎ、トイレでの成功に導きやすくなります。
 
成犬のトイレトレーニングのやり直しは、まさに「失敗させない環境づくり」が成功の9割を占めると言っても過言ではありません。
失敗を叱るのではなく、成功を褒めて伸ばすことを基本方針とし、愛犬が自然とトイレで排泄できるように、飼い主が上手に導いてあげることが大切です。
上手な褒め方と絶対にNGな叱り方
成犬のトイレトレーニングのやり直しにおいて、飼い主の「褒め方」と「叱り方」は、トレーニングの成否を大きく左右する極めて重要な要素です。
犬は飼い主の感情を敏感に読み取ります。
正しいコミュニケーションをとることで、犬は安心して学習を進めることができますが、間違った対応は犬を混乱させ、問題を悪化させる原因にもなりかねません。
成功を最大限に伸ばす「上手な褒め方」
犬に「トイレで排泄することは素晴らしいことだ」と学習させるためには、タイミングと表現が鍵となります。
タイミング:排泄が終わった「直後」、0.5秒以内が理想です。その場で褒めることで、犬は自分の「排泄行動」と飼い主の「褒め言葉」を正しく結びつけることができます。
声のトーン:いつもより2オクターブほど高い、明るく楽しそうな声で褒めてあげましょう。犬は低い声よりも高い声にポジティブな感情を抱きやすいです。
表現:「すごい!」「天才!」「えらいね!」など、短い言葉で、感情を込めて大げさに褒めちぎるのが効果的です。体を撫でたり、優しく抱きしめたりする身体的なスキンシップも加えると、さらに喜びが伝わります。
ご褒美:褒め言葉と同時に、犬が大好きなおやつを少しだけ与える「特別報酬」も非常に有効です。このおやつは、トイレトレーニングの成功時だけにもらえる特別なものにすると、より一層モチベーションが高まります。
信頼関係を壊す「絶対にNGな叱り方」
トイレの失敗を発見すると、つい感情的になって叱ってしまいがちですが、それは逆効果です。
間違った叱り方は、犬との信頼関係を損ない、新たな問題行動を引き起こす原因となります。
現行犯以外で叱る:時間が経ってから失敗の跡を見つけて叱っても、犬は何に対して叱られているのか理解できません。「飼い主が突然怒り出した」としか思わず、飼い主に対して不信感を抱くだけです。
大声で怒鳴る・叩く:犬を恐怖で支配しようとする行為は、百害あって一利なしです。犬は「排泄すること自体が悪いことだ」と勘違いし、飼い主の見ていない場所(ソファの陰やベッドの下など)に隠れて排泄するようになったり、食糞の原因になったりします。
鼻を失敗した場所にこすりつける:昔から言われている方法ですが、これは全く効果がないばかりか、犬に屈辱感と恐怖を与えるだけの虐待行為です。衛生上も問題があります。
トイレを失敗してしまった場合は、叱るのではなく、「無言」で、そして「淡々」と片付けるのが正解です。
犬に一切注目せず、静かに掃除をすることで、「ここでしても良いことは何もない」と学習させます。
成犬のトイレトレーニングのやり直しの基本は、加点法です。
失敗を減点するのではなく、成功した時にたくさん加点してあげることで、犬は自ら進んで正しい行動を選ぶようになります。
トレーニングに役立つおすすめの便利グッズ
成犬のトイレトレーニングのやり直しを、よりスムーズかつ効果的に進めるためには、便利なグッズを活用するのも一つの手です。
様々な製品が市販されていますが、ここでは特におすすめのグッズをいくつかご紹介します。
愛犬の性格や住環境に合わせて、上手に取り入れてみてください。
1. L字型・壁付きトイレトレー
特に、足を上げておしっこをする習性のあるオス犬におすすめなのが、片面あるいは三方に壁が付いているタイプのトイレトレーです。
壁があることで、尿の飛び散りを防ぎ、掃除の手間を大幅に減らすことができます。
また、犬は隅で排泄することを好む傾向があるため、壁に囲われていることで安心して排泄できるというメリットもあります。
メッシュ付きのタイプを選べば、シーツをいたずらで破ってしまう子の対策にもなります。
2. トイレトレーニング用スプレー
「トイレはここだよ」と教えるための誘導スプレーです。
犬が好むとされるアンモニア系の匂いが付いており、トイレシーツに吹きかけることで、犬をトイレの場所に引き寄せ、排泄を促す効果が期待できます。
新しいトイレの場所を覚えさせる時や、なかなかトイレでしてくれない時に試してみる価値はあるでしょう。
ただし、効果には個体差があるため、過度な期待は禁物です。
3. 強力な消臭・除菌スプレー
これはトレーニングの成功に不可欠な最重要アイテムと言っても過言ではありません。
犬は一度排泄した場所の匂いを頼りに、次も同じ場所でしようとします。
そのため、失敗してしまった場所は、匂いが完全になくなるまで徹底的に掃除する必要があります。
市販の洗剤では匂いが取りきれないことも多いため、ペットの尿の匂いを分解する酵素系のクリーナーや、バイオ系の消臭スプレーを使用するのが最も効果的です。
アンモニア臭を中和するクエン酸スプレーを手作りするのも良いでしょう。
4. 防水マット・ペット用カーペット
フローリングやカーペットの上で粗相を繰り返してしまう場合、掃除が大変なだけでなく、床材に匂いが染み付いてしまう恐れがあります。
トレーニング期間中だけでも、犬がよく過ごすエリアに洗える防水マットやペット対応のカーペットを敷いておくことをお勧めします。
万が一失敗しても、さっと拭き取れたり、洗濯機で丸洗いできたりするので、飼い主の精神的な負担を大きく軽減してくれます。
これらのグッズは、あくまでトレーニングの補助的な役割です。
最も大切なのは、飼い主が愛犬の行動をよく観察し、根気強く向き合う姿勢であることを忘れないでください。
しかし、便利なアイテムを上手に活用することで、トレーニングの効率を上げ、飼い主のストレスを減らすことにつながるのは間違いありません。
留守番中でも安心できるトイレ環境の作り方
飼い主さんが仕事などで家を空けている間、つまり留守番中のトイレの失敗は、成犬のトイレトレーニングのやり直しにおいて大きな課題の一つです。
飼い主の目が届かないため、失敗しても叱ることもできず、成功しても褒めてあげることができません。
そのため、留守番中は「犬が失敗しようのない、成功するしかない環境」を物理的に作ってあげることが何よりも重要になります。
1. サークルやケージで行動範囲を限定する
最も効果的な方法は、サークルやケージで行動範囲を区切ることです。
犬が自由に家の中を歩き回れる状態だと、どこで粗相をするか分かりません。
サークルでスペースを区切り、その中にベッド(安心できる寝床)とトイレだけを設置します。
犬は寝床を汚すことを嫌う習性があるため、消去法的にトイレで排泄せざるを得ない状況を作るのです。
この時、サークルの広さが広すぎると、トイレ以外の場所で排泄してしまう可能性があるため、ベッドとトイレ、少し動ける程度のスペースに限定するのがコツです。
2. トイレの面積を広くする
サークルの中にトイレを設置する場合、トイレトレーを一つだけ置くのではなく、床一面にトイレシーツを敷き詰めてしまうという方法も非常に有効です。
「サークルの中はどこでしてもOK」という状態にしてあげることで、犬は迷うことなく排泄でき、成功体験を積むことができます。
そして、徐々にシーツの枚数を減らしていき、最終的にトイレトレーの上だけでできるように移行していきます。
特にトレーニングの初期段階では、この方法で確実に成功させて自信をつけさせることが大切です。
3. 出かける前のルーティンを確立する
留守番をさせる直前の行動も重要です。
出かける前には必ず散歩に連れて行き、外で排泄を済ませておきましょう。
そうすることで、留守番中に我慢できずに漏らしてしまうという事態を防ぐことができます。
また、食事や水を飲むタイミングも、出かける時間から逆算して調整すると良いでしょう。
出かける直前に食事や水を与えると、留守番の間に排泄したくなるのは当然です。
留守番中のトイレ環境を整えることは、犬のためだけでなく、飼い主の精神的な安心にも繋がります。
「帰ったらまた粗相しているかもしれない」という不安から解放されることで、より穏やかな気持ちで愛犬と向き合うことができるようになるでしょう。
焦らず、物理的な環境設定で成功を後押ししてあげてください。
焦りは禁物!根気よく続けるための心構え
成犬のトイレトレーニングのやり直しは、一朝一夕に結果が出るものではありません。
子犬の頃と比べて、一度身についた習慣を変えるのには時間がかかります。
時には、順調に進んでいたかと思えば、また失敗を繰り返すという「後戻り」もあるかもしれません。
そんな時、飼い主が焦ったり、イライラしたり、落胆したりしてしまうと、そのネガティブな感情は必ず愛犬に伝わってしまいます。
トレーニングを成功に導くために最も大切なのは、技術やグッズ以前に、飼い主自身の「心構え」なのかもしれません。
1. 「できなくて当たり前」と思う
まず、期待しすぎないことが重要です。
「昨日できたのだから、今日もできるはずだ」という期待は、裏切られた時に大きな失望に変わります。
そうではなく、「できたらラッキー」「成功したら儲けもの」くらいの気持ちで、どっしりと構えましょう。
失敗は犬のせいではなく、「失敗させてしまった自分のやり方に改善の余地がある」と考えるようにすると、前向きに取り組むことができます。
2. 完璧を求めない
100回のうち100回成功する必要はありません。
人間だって体調や気分によってミスをすることがあります。
成功率が50%から60%、70%と少しずつ上がっていく過程そのものを喜びましょう。
小さな進歩を見つけて、それを褒めてあげることが、飼い主自身のモチベーションを維持するコツでもあります。
3. 愛犬を信じて、ポジティブな関係を築く
トイレの失敗という問題行動にばかり目を向けるのではなく、愛犬の良いところに目を向け、普段からたくさん褒めてあげましょう。
散歩中の歩き方、落ち着いて待てたこと、名前を呼んだら来てくれたこと。
日常の些細な成功体験を積み重ね、褒めるコミュニケーションを増やすことで、犬は自信を取り戻し、飼い主への信頼を深めます。
この信頼関係こそが、トイレトレーニングの最も強固な土台となります。
「この人と一緒にいれば安心だ」と感じることで、犬は学習意欲を高め、飼い主の期待に応えようと努力してくれるようになります。
4. ひとりで抱え込まない
どうしても上手くいかない時、心が折れそうになった時は、ひとりで悩まずに専門家に相談しましょう。
かかりつけの獣医師や、ドッグトレーナー、行動診療を専門とする獣医師など、頼れるプロはたくさんいます。
客観的なアドバイスをもらうことで、新たな視点が見つかったり、気持ちが楽になったりするものです。
成犬のトイレトレーニングのやり直しは、犬との絆を再確認し、より深い関係を築くための貴重な機会です。
焦らず、比べず、諦めず。
愛犬のペースに合わせて、長い目で見守ってあげてください。
まとめ:愛犬との信頼を築く成犬のトイレトレーニングのやり直し
ここまで、成犬のトイレトレーニングのやり直しについて、その原因から具体的な方法、そして飼い主さんの心構えまでを詳しく解説してきました。
一度は完璧にできていたトイレが再びできなくなると、飼い主さんとしてはショックを受けたり、時には腹立たしい気持ちになったりすることもあるかもしれません。
しかし、大切なのは、その行動の裏にある愛犬からのサインを見逃さないことです。
トイレの失敗は、単なる「しつけ」の問題として片付けられるものではなく、ストレスや環境の変化、病気といった、犬が言葉で伝えられないSOSである可能性も十分に考えられます。
だからこそ、成犬のトイレトレーニングのやり直しは、まず原因を特定することから始まります。
原因がわかれば、とるべき対策は自ずと見えてくるはずです。
そして、トレーニングの過程においては、決して焦らないでください。
失敗を叱るのではなく、成功した瞬間を逃さずに思い切り褒めてあげること。
このポジティブなアプローチが、愛犬の自信と学習意欲を引き出します。
物理的な環境を整え、失敗が起こりにくい状況を作ってあげることも、飼い主さんの大切な役割です。
この一連のプロセスは、単にトイレの仕方を再教育するだけのものではありません。
愛犬の心と体の状態に深く寄り添い、コミュニケーションを重ねることで、失いかけた信頼関係をもう一度、より強固に築き直すための貴重な時間となるのです。
時間はかかるかもしれませんが、あなたの愛情と根気強いサポートがあれば、愛犬は必ずそれに応えてくれます。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ今日から、愛犬との新たな一歩を踏み出してみてください。
本日のまとめ
- 成犬のトイレ失敗は身体的・精神的・環境的な原因がある
 - ストレスや環境の変化が粗相の引き金になることが多い
 - マーキングと通常の排泄は量や場所で見分ける
 - 急な失敗の増加は病気の可能性を疑い動物病院へ
 - 膀胱炎や腎臓病、糖尿病などが原因のことがある
 - トイレは静かで落ち着ける清潔な場所が基本
 - やり直しの基本は成功体験を積み重ねること
 - 排泄のサインを見逃さずトイレへ誘導する
 - 成功したら即座に大げさに褒めるのがコツ
 - 失敗しても叱らず無言で片付けるのが鉄則
 - 壁付きトレーや消臭スプレーなどのグッズ活用も有効
 - 留守番中はサークルで行動範囲を限定し失敗を防ぐ
 - 焦らず完璧を求めず長い目で取り組む心構えが重要
 - トレーニングは愛犬との信頼関係を再構築する機会
 - 困ったときはドッグトレーナーなどの専門家に相談する
 
参考サイト
ぷにぷに paw:トイレトレーニングのやり直し、成犬のしつけのコツは?
【ドッグトレーナー推奨】成犬でもやり直せる!3つのトイレトレーニング
わんちゃんホンポ:犬のトイレトレーニングをやり直しするコツ!
PetsCare.com:犬のトイレトレーニング退行の原因と解決策
YouTube:【まだ間に合う!】成犬になってトイレを失敗するようになった子のやり直し方法
  
  
  
  

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