子犬から成犬用フードはいつから？最適な切り替え時期と方法

こんにちは、管理人のdoggoです

愛犬がすくすくと成長する姿は、飼い主さんにとって何よりの喜びですね。

しかし、子犬の時期が終わりに近づくと、多くの方が「子犬から成犬用フードはいつから切り替えるのが正解なのだろう」という疑問に直面します。

このフードの切り替えは、単に食事の種類を変えるだけではありません。

愛犬の生涯にわたる健康を左右する、非常に重要なステップなのです。

子犬用フードは成長期に必要な高いカロリーと栄養価で設計されていますが、成犬になっても与え続けると肥満の原因になりかねません。

一方で、切り替えが早すぎると、体の成長に必要な栄養が不足してしまう恐れもあります。

犬のサイズ、つまり小型犬、中型犬、大型犬といった犬種による成長スピードの違いを理解し、それぞれの個体に合った最適なタイミングを見極めることが大切です。

この記事では、子犬から成犬用フードはいつからという疑問に明確にお答えするため、具体的な切り替え時期の目安、フードの成分の違い、そしてスムーズな切り替え方法について詳しく解説していきます。

また、切り替えの際に起こりがちなトラブルや注意点、オールステージフードという選択肢についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧いただき、愛犬の健やかな毎日にお役立てください。

◆このサイトでわかる事◆

犬のサイズ別に最適なフードの切り替え時期
子犬用と成犬用フードの栄養価やカロリーの違い
愛犬に負担をかけないスムーズなフードの切り替え方法
切り替えが早すぎたり遅すぎたりする場合のリスク
オールステージ対応フードのメリットとデメリット
フードを食べてくれない時の具体的な対処法
去勢・避妊手術とフード切り替えのタイミング

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子犬から成犬用フードはいつからの切り替えがベスト？
子犬から成犬用フードはいつからかの疑問を解決

子犬から成犬用フードはいつからの切り替えがベスト？

◆この章のポイント◆

犬のサイズで異なる切り替え時期の目安
カロリーや栄養価などフードの違いを解説
段階的に慣らす正しい切り替え方法
切り替えが早すぎるときの注意点
切り替えが遅すぎるときのデメリット

犬のサイズで異なる切り替え時期の目安

子犬から成犬用フードへの切り替え時期は、実は犬の体の大きさによって大きく異なります。

なぜなら、小型犬、中型犬、大型犬では、体が完全に成長しきるまでの期間、つまり「成犬」と呼ばれる状態になるまでの時間が違うからです。

一般的に、体格が小さいほど成長は早く、大きいほどゆっくりと時間をかけて大人になります。

この成長スピードに合わせてフードを切り替えることが、愛犬の健康維持にとって非常に重要です。

ここでは、犬のサイズごとの具体的な切り替え時期の目安を解説します。

小型犬の場合

チワワ、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬は、生後9ヶ月から12ヶ月頃に成犬となります。

成長のスピードが速く、比較的早い段階で体の発達が完了するのが特徴です。

そのため、フードの切り替えもこの時期、おおよそ生後10ヶ月齢を迎える頃を目安に検討を始めると良いでしょう。

ただし、個体差があるため、愛犬の成長具合をよく観察しながらタイミングを判断することが大切です。

中型犬の場合

柴犬、ウェルシュ・コーギー、ボーダー・コリーなどの中型犬は、小型犬よりも少しゆっくりと成長します。

成犬になるのは、おおよそ生後12ヶ月から15ヶ月頃です。

したがって、フードの切り替えは1歳の誕生日を迎えるあたりが一つの目安となります。

中型犬は活動量が多い犬種も多いため、エネルギー消費と摂取カロリーのバランスを見ながら、適切なフードに切り替えていく必要があります。

大型犬の場合

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬は、骨格や筋肉が完全に出来上がるまでに長い時間を要します。

成犬になるのは生後18ヶ月から、犬種によっては24ヶ月かかることもあります。

この長い成長期間を支えるため、子犬用フードを与える期間も長くなります。

フードの切り替えは、早くても生後1年半頃から検討し、犬種や個体の成長ペースに合わせて慎重に進めることが推奨されます。

急激な成長は関節に負担をかけることもあるため、適切な栄養管理が特に重要です。

以下に、犬のサイズごとの切り替え時期の目安を表にまとめました。

犬のサイズ	成犬時の体重目安	切り替え時期の目安
小型犬	10kg未満	生後9ヶ月～12ヶ月
中型犬	10kg～25kg	生後12ヶ月～15ヶ月
大型犬	25kg以上	生後18ヶ月～24ヶ月

この表はあくまで一般的な目安です。

最終的な判断は、愛犬の犬種、体格、健康状態などを考慮し、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

カロリーや栄養価などフードの違いを解説

子犬用フードと成犬用フードは、見た目は似ていても、その中身、特にカロリーや栄養価のバランスが大きく異なります。

この違いを理解することは、なぜフードの切り替えが必要なのかを知る上で非常に重要です。

それぞれのフードが、犬のどのライフステージに最適化されているのかを詳しく見ていきましょう。

子犬用フードの特徴

子犬期は、犬の一生の中で最も急速に体が成長する時期です。

骨、筋肉、内臓など、体のあらゆる部分が驚異的なスピードで発達します。

この爆発的な成長をサポートするため、子犬用フード（パピーフード）は以下のような特徴を持っています。

高カロリー・高タンパク質：少ない食事量でも、成長に必要なエネルギーと体を作る材料を効率よく摂取できるように設計されています。
豊富なミネラルとビタミン：特に骨の形成に不可欠なカルシウムやリンが、適切なバランスで強化されています。
消化しやすい原材料：まだ消化器官が未熟な子犬でも、栄養をしっかりと吸収できるよう配慮されています。

つまり、子犬用フードは「成長のための特別な栄養食」と言えるでしょう。

成犬用フードの特徴

一方、成犬になると体の成長は止まり、日々の健康を維持することがフードの主な役割となります。

そのため、成犬用フード（アダルトフード）は、子犬用フードとは異なる栄養バランスで作られています。

適切なカロリー設計：成長期ほどのエネルギーは必要ないため、肥満を防ぐためにカロリーが抑えられています。
バランスの取れた栄養素：健康な体と免疫力を維持するためのタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランス良く配合されています。
健康維持のための機能性成分：犬種や健康状態に合わせて、関節ケア、皮膚・被毛の健康、お腹の調子を整える成分などが加えられていることもあります。

成犬用フードは「健康維持のための日常食」であり、過剰な栄養摂取による体への負担を避けるための配合になっています。

子犬用と成犬用の栄養成分の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

栄養素	子犬用フード	成犬用フード	主な役割
カロリー	高い	適切	活動エネルギー源
タンパク質	多い	適切	筋肉や臓器の材料
脂質	多い	適切	エネルギー源、皮膚の健康
カルシウム・リン	多い（バランスが重要）	適切	骨や歯の形成

このように、ライフステージによって必要な栄養は全く異なります。

適切な時期にフードを切り替えることが、愛犬が健康で長生きするための第一歩なのです。

段階的に慣らす正しい切り替え方法

子犬から成犬用フードへの切り替えを決めたら、次に重要なのがその方法です。

ある日突然フードを全て新しいものに変えてしまうと、犬の消化器系が驚いてしまい、下痢や嘔吐、食欲不振といったトラブルを引き起こす可能性があります。

特にデリケートな胃腸を持つ犬の場合は注意が必要です。

愛犬の体に負担をかけず、スムーズに新しいフードに慣れてもらうためには、時間をかけて段階的に切り替えることが鉄則です。

ここでは、獣医師も推奨する一般的な切り替えスケジュールをご紹介します。

基本は、7日から10日ほどの期間をかけて、徐々に新しいフードの割合を増やしていく方法です。

以下のスケジュールを参考に、愛犬の便の状態や食いつきをよく観察しながら進めてください。

1日目～2日目：今までのフード90% ＋新しいフード10%
3日目～4日目：今までのフード75% ＋新しいフード25%
5日目～6日目：今までのフード50% ＋新しいフード50%
7日目～8日目：今までのフード25% ＋新しいフード75%
9日目以降：新しいフード100%

この割合はあくまで目安です。

もし途中で便が緩くなるなどの変化が見られた場合は、焦らずに一つ前の割合に戻し、状態が落ち着くまで数日間その割合を続けてから、再度ゆっくりと次のステップに進みましょう。

愛犬の体調を最優先に、ペースを調整することが成功の鍵です。

切り替え時のポイント

切り替えをスムーズに進めるために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

まず、新しいフードを与える際は、今までのフードとよく混ぜてから与えるようにしましょう。

犬によっては、新しいフードだけを器用により分けて残してしまうことがあります。

また、フードの切り替え中は、体調の変化に特に注意を払ってください。

便の状態（硬さ、色、回数）、食欲、元気があるか、皮膚を痒がっていないかなど、日々の様子を細かくチェックする習慣をつけましょう。

万が一、下痢や嘔吐が続く、あるいは元気がなくなるなどの異常が見られた場合は、すぐに切り替えを中断し、かかりつけの獣医師に相談してください。

焦らず、愛犬のペースに合わせて進めることが、何よりも大切です。

切り替えが早すぎるときの注意点

「うちの子は体が大きいから、もう成犬用フードでいいのでは？」と考える飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、見た目の大きさと内部の成長は必ずしも一致しません。

子犬から成犬用フードへの切り替えが早すぎることには、いくつかのリスクが伴います。

愛犬の将来の健康のためにも、これらのリスクを正しく理解しておくことが重要です。

最も大きな懸念は、成長に必要な栄養素が不足してしまうことです。

前述の通り、子犬用フードは骨格や筋肉、内臓の発達をサポートするために、高タンパク・高カロリーで、カルシウムやリンなどのミネラルも豊富に含まれています。

体がまだ成長段階にあるにもかかわらず、栄養価が穏やかな成犬用フードに切り替えてしまうと、以下のような問題が起こる可能性があります。

骨や関節の形成不全：特に大型犬の場合、しっかりとした骨格を作るためのカルシウムやリンが不足し、関節疾患のリスクが高まる恐れがあります。
筋肉の発達不足：体を作る基本となるタンパク質が足りず、筋肉が十分に発達しない可能性があります。
免疫力の低下：成長期には体を守る免疫機能も発達します。栄養不足は免疫力の低下を招き、感染症などにかかりやすくなることも考えられます。
エネルギー不足：成長には多くのエネルギーが必要です。カロリーが低い成犬用フードでは、必要なエネルギーを補いきれず、元気がない、痩せてくるといった症状が見られることもあります。

例えば、人間の子供に、成長期が終わった大人と同じ食事を与え続けることを想像してみてください。

きっと、健やかな成長に必要な栄養が足りなくなってしまうでしょう。

それは犬にとっても同じことです。

「まだ成長しているかもしれない」と少しでも思ううちは、子犬用フードを継続する方が安全と言えます。

特に大型犬の飼い主さんは、体が大きくなっても骨格の成長は続いていることを念頭に置き、獣医師と相談しながら慎重に切り替え時期を判断することが求められます。

自己判断で切り替えを急ぐことは避け、定められた目安の時期をしっかりと守ってあげましょう。

切り替えが遅すぎるときのデメリット

切り替えが早すぎることのリスクとは逆に、「子犬用フードは栄養満点だから、長く与えても問題ないのでは？」と考える方もいるかもしれません。

確かに栄養価が高いことは事実ですが、体の成長が止まった成犬にとって、その高い栄養価が逆に健康上のデメリットとなることがあります。

子犬から成犬用フードへの切り替えが遅すぎた場合に起こりうる、主な問題点について解説します。

最も顕著なデメリットは、肥満のリスクが格段に高まることです。

成長が完了した犬は、子犬期ほど多くのカロリーを必要としません。

にもかかわらず、高カロリーな子犬用フードを与え続けると、消費されなかった余分なエネルギーが脂肪として体に蓄積され、肥満につながります。

犬の肥満は、単に見た目の問題だけではありません。

以下のように、様々な病気を引き起こす引き金となります。

関節への負担増加：体重が増えることで足腰の関節に過度な負担がかかり、関節炎や椎間板ヘルニアなどを発症しやすくなります。
心臓や呼吸器への負担：心臓はより多くの血液を全身に送る必要があり、脂肪が気道を圧迫して呼吸が苦しくなることもあります。
糖尿病のリスク：肥満はインスリンの働きを悪くさせ、糖尿病の発症リスクを高めます。

さらに、カロリーだけの問題ではありません。

子犬用フードに含まれる豊富なミネラル、特にカルシウムの過剰摂取も問題となることがあります。

成長期を過ぎた犬がカルシウムを過剰に摂取すると、尿石症などの泌尿器系の病気のリスクを高める可能性が指摘されています。

特に大型犬においては、骨の異常な形成を促してしまうこともあるため注意が必要です。

愛犬が成犬としての骨格や体格になったら、その体を健康的に維持するための成犬用フードに切り替えることが大切です。

「もうこれ以上大きくならないな」と感じたら、それはフード切り替えのサインと捉え、適切な対応をしてあげましょう。

愛犬を思う気持ちが、かえって健康を損なう結果とならないよう、ライフステージに合った食事管理を心がけることが飼い主の重要な責任です。

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子犬から成犬用フードはいつからかの疑問を解決

◆この章のポイント◆

オールステージ対応フードという選択肢
フードを食べないときの対処法
体重の変化をチェックする重要性
去勢・避妊手術後のタイミング
迷ったら獣医師に相談しよう

オールステージ対応フードという選択肢

ドッグフードを選んでいると、「オールステージ対応」や「全年齢対応」と表示された製品を見かけることがあります。

これは、その名の通り、子犬から成犬、そしてシニア犬まで、犬のすべてのライフステージで与えることができるように栄養設計されたフードのことです。

子犬から成犬用フードへの切り替えに悩む飼い主さんにとって、これは魅力的な選択肢に映るかもしれません。

では、オールステージ対応フードにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

オールステージ対応フードのメリット

最大のメリットは、フードを切り替える手間やタイミングに悩む必要がない点です。

一度愛犬がそのフードを気に入ってくれれば、生涯にわたって同じフードを与え続けることができます。

フードの切り替えによる消化器系のトラブルの心配も少なくなります。

また、多頭飼いで、異なる年齢の犬を飼っている場合にも便利です。

それぞれの年齢に合わせたフードを別々に用意・管理する必要がなく、同じフードで対応できるため、飼い主さんの負担を軽減できます。

オールステージ対応フードのデメリットと注意点

一方で、デメリットも存在します。

オールステージ対応フードは、どの年齢の犬が食べても栄養基準を満たせるように、基本的には最も栄養要求量が高い「子犬の成長期」に合わせて作られています。

つまり、成犬にとってはカロリーや栄養価が高めであることがほとんどです。

そのため、成犬期に子犬期と同じ量のフードを与えていると、肥満になりやすいという大きな注意点があります。

オールステージ対応フードを与える場合は、年齢や活動量に応じて給与量を細かく調整し、体重管理を厳密に行う必要があります。

パッケージに記載されている給与量の目安を参考にしつつ、愛犬の体型（ボディコンディションスコア）を定期的にチェックすることが不可欠です。

また、特定の健康課題（例えば、関節が弱い、皮膚トラブルがあるなど）を持つ犬にとっては、その課題に特化して開発されたライフステージ別のフードの方が、より適している場合もあります。

オールステージ対応フードは便利な選択肢ですが、給与量の管理が非常に重要であることを理解した上で選ぶ必要があると言えるでしょう。

フードを食べないときの対処法

計画通りにフードの切り替えを進めていても、愛犬が新しいフードを食べてくれない、という壁にぶつかることがあります。

犬は味や匂い、食感に敏感な動物なので、フードが変わったことに警戒心を示したり、単純に好みに合わなかったりすることが原因です。

そんな時、飼い主さんは心配になってしまいますが、焦りは禁物です。

ここでは、愛犬が新しいフードを食べてくれない時の対処法をいくつかご紹介します。

まずは根気よく切り替えを続ける

少し食べてくれないからといって、すぐに元のフードに戻したり、おやつを与えたりするのは避けましょう。

犬は賢いので、「食べなければもっと美味しいものがもらえる」と学習してしまいます。

まずは、前述した段階的な切り替えスケジュールを、もう少しゆっくりしたペースで行ってみましょう。

新しいフードの割合を少し減らして様子を見るなど、根気強く続けることが大切です。

フードに工夫を加えてみる

新しいフードの匂いや味に慣れてもらうために、少し工夫を加えるのも効果的です。

ぬるま湯でふやかす：フードを人肌程度のお湯でふやかすと、香りが立って食欲をそそります。また、食感も変わるので食べてくれることがあります。
トッピングを試す：犬用のウェットフードやフリーズドライのささみなどを少量、香り付け程度に混ぜてあげるのも一つの方法です。ただし、トッピングがなければ食べない癖がつかないよう、あくまで切り替えの初期段階のサポートとして考えましょう。
フードを手から与える：飼い主さんの手から直接与えることで、安心して食べてくれる子もいます。コミュニケーションの一環として試してみるのも良いでしょう。

食事環境を見直す

食欲不振の原因が、フードそのものではなく食事環境にある場合もあります。

食器が汚れていないか、食事場所が騒がしかったり落ち着かなかったりしないか、などを確認してみましょう。

犬がリラックスして食事に集中できる環境を整えてあげることも重要です。

それでも食べない場合は

色々な工夫を試しても一向に食べてくれない、あるいは食欲不振とともに元気がない、嘔吐や下痢があるといった場合は、フードの問題ではなく体調不良が隠れている可能性も考えられます。

このような場合は、無理に食べさせようとせず、早めに動物病院を受診してください。

また、単なるわがままではなく、そのフードが本当に体に合わない（アレルギーなど）可能性もゼロではありません。

獣医師に相談し、別の種類の成犬用フードを試すことも検討しましょう。

体重の変化をチェックする重要性

子犬から成犬用フードへの切り替えは、単にフードを変えて終わりではありません。

切り替え後も、愛犬の体が新しい食事にきちんと適応しているか、そして適切なエネルギーを摂取できているかを確認し続ける必要があります。

そのための最も分かりやすい指標が「体重」と「体型」の変化です。

定期的に体重をチェックする習慣は、愛犬の健康管理の基本と言えるでしょう。

なぜ体重チェックが重要なのか

成犬用フードは子犬用フードに比べてカロリーが低く設定されています。

フードを切り替えた後、給与量が適切でない場合、体重が減少したり、逆に増加したりすることがあります。

体重の減少は、必要なエネルギーや栄養が足りていないサインかもしれません。

特にまだ成長が完全に止まっていない若い成犬の場合、痩せすぎてしまうと体力や免疫力の低下につながる恐れがあります。

一方で、体重の増加は、カロリーオーバーのサインです。

活動量に対して給与量が多すぎると、肥満につながります。

肥満は様々な病気のリスクを高めるため、早期に気づき、給与量を調整することが重要です。

体重と体型のチェック方法

体重測定は、月に1回程度、定期的に行うのが理想です。

動物病院やペットショップの体重計を利用するのも良いですし、人間用の体重計で「犬を抱っこして測定した体重」から「飼い主さん一人の体重」を引くことでも、おおよその体重を知ることができます。

しかし、体重の数字だけでは分からないこともあります。

そこで併せて行いたいのが、「ボディコンディションスコア（BCS）」という体型チェックです。

これは、見た目と触った感触で犬の体型を評価する方法です。

理想的な体型：体を優しく触ると、肋骨（あばら骨）に簡単に触れることができる。上から見たときに、腰にくびれがはっきりと見える。
痩せすぎ：肋骨や腰骨がくっきりと浮き出て見える。
太り気味：肋骨に触れるのが難しい。上から見ても腰のくびれがほとんどない。

フードを切り替えた後、1～2ヶ月はこのBCSを週に1回はチェックし、愛犬が理想的な体型を維持できているかを確認しましょう。

もし体型に変化が見られたら、フードの給与量を5～10%程度増減させて様子を見てください。

適切な給与量は個体差が大きいので、愛犬の体と相談しながら最適な量を見つけてあげることが大切です。

去勢・避妊手術後のタイミング

去勢・避妊手術は、多くの子犬が生後6ヶ月から1歳頃の間に受ける外科手術です。

この手術は、望まない妊娠を防ぐだけでなく、将来的にかかる可能性のある病気（精巣腫瘍、子宮蓄膿症、乳腺腫瘍など）のリスクを減らすという大きなメリットがあります。

そして、この手術のタイミングは、子犬から成犬用フードはいつからという問題と密接に関係してくることがあります。

手術による体の変化

去勢・避妊手術を行うと、犬の体内で性ホルモンの分泌がなくなります。

このホルモンバランスの変化により、体にいくつかの影響が出ることが知られています。

最も大きな変化は、基礎代謝が低下し、必要なエネルギー量が手術前よりも少なくなることです。

研究によっては、必要なカロリーが20～30%も減少するという報告もあります。

それにもかかわらず、食欲は逆に増進する傾向があるため、手術前と同じ食事を同じ量だけ与えていると、非常に太りやすくなってしまいます。

手術とフード切り替えのタイミング

この「太りやすくなる」という体質の変化を考慮すると、去勢・避妊手術はフードを切り替える良いきっかけの一つと捉えることができます。

もし手術の時期が、犬種ごとの成犬用フードへの切り替え推奨時期と重なる場合（例えば、小型犬が生後10ヶ月頃に手術を受けるなど）、手術後の回復期が過ぎてから、成犬用フードへの切り替えを開始するのは非常に理にかなっています。

高カロリーな子犬用フードから、カロリーが抑えられた成犬用フードに切り替えることで、手術後の体重増加を効果的に防ぐことができます。

また、最近では「去勢・避妊手術をした犬用」のフードも市販されています。

これらのフードは、通常の成犬用フードよりもさらに低カロリー・低脂肪で、満腹感を得やすいように食物繊維が豊富に含まれているなど、手術後の犬の体に特化して作られています。

選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。

ただし、手術を受けたからといって、まだ成長期が終わっていないのに成犬用フードに切り替えるのは早すぎます。

例えば、大型犬が生後6ヶ月で手術をした場合、体はまだまだ成長過程にあります。

この場合は、子犬用フードを与え続け、その給与量を通常よりも少し控えるなどの調整が必要です。

最終的な判断は、必ず獣医師と相談してください。

手術の時期、犬の成長段階、現在の体型などを総合的に診て、最適なフードプランを提案してくれるはずです。

迷ったら獣医師に相談しよう

これまで、犬のサイズごとの切り替え時期の目安や、フードの選び方、切り替え方法など、様々な情報をお伝えしてきました。

しかし、これらはすべて一般的なガイドラインであり、すべての犬に当てはまるわけではありません。

犬の成長スピードや必要な栄養素は、犬種や個体によって千差万別です。

「うちの子の場合は、いつから切り替えるのが本当にベストなんだろう？」

「切り替えようと思うけど、持病があるから心配…」

「フードのパッケージに書いてあることが色々で、どれを信じたらいいか分からない」

このように、少しでも疑問や不安を感じたら、迷わずにかかりつけの獣医師に相談してください。

獣医師は、犬の栄養学に関する専門知識を持つプロフェッショナルです。

インターネットや本で得られる情報は非常に役立ちますが、目の前にいるあなたの愛犬を実際に診察し、個別の状況を評価できるのは獣医師だけです。

獣医師に相談するメリット

動物病院で相談することで、以下のようなメリットが得られます。

個体に合わせた最適なタイミングの判断：愛犬の現在の体重、体型（ボディコンディションスコア）、骨格の成長具合などを触診や問診で評価し、最も適切な切り替え時期をアドバイスしてくれます。
フードの具体的な推奨：市場には無数のドッグフードが存在します。その中から、愛犬の犬種、年齢、活動量、健康状態（アレルギーの有無や持病など）を考慮した上で、具体的なフードの選択肢を提案してもらえることがあります。
健康状態のチェック：フードの切り替えというタイミングで健康診断を受けることで、万が一隠れていた病気などを早期に発見できる可能性もあります。

特に、食物アレルギーがある、消化器系が弱い、あるいは何らかの慢性疾患を抱えている犬の場合、自己判断でのフードの変更は症状を悪化させるリスクも伴います。

必ず獣医師の指導のもとで切り替えを進めるようにしましょう。

愛犬の健康は、飼い主さんと獣医師が協力し合う、いわば二人三脚で守っていくものです。

子犬から成犬用フードはいつからという問題は、愛犬の健康な未来を作るための重要なイベントです。

大切な家族の一員である愛犬のために、最善の選択をしてあげましょう。