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犬のチェリーアイの原因とは?症状から治療法、手術費用まで解説

健康
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こんにちは、管理人のdoggoです

愛犬の目に、ある日突然さくらんぼのような赤い腫れものが現れたら、誰でも驚き、心配になることでしょう。

その症状は「チェリーアイ」と呼ばれる病気かもしれません。

犬のチェリーアイの原因は一体何なのでしょうか。

この記事では、多くの飼い主が抱える疑問や不安に寄り添い、犬のチェリーアイの原因から具体的な症状、そしてどのような治療法があるのかを詳しく解説します。

また、チェリーアイになりやすい犬種や、症状を放置した場合のリスク、気になる手術やその費用、そして治療後の再発の可能性についても掘り下げていきます。

さらに、ストレスが関係するのか、治し方として目薬は有効なのかといった、具体的な疑問にもお答えします。

この記事を読めば、チェリーアイに関する正しい知識を身につけ、愛犬のために最適な行動を取れるようになるはずです。

◆このサイトでわかる事◆

  • 犬のチェリーアイの具体的な初期症状
  • 犬のチェリーアイの原因とストレスの関連性
  • チェリーアイになりやすい犬種とその理由
  • 症状を放置した場合に起こりうる深刻なリスク
  • 目薬や手術といった具体的な治療法と治し方
  • 手術にかかる費用や保険適用の有無
  • 治療後に再発する可能性と対策

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犬のチェリーアイの原因と特徴的な症状

◆この章のポイント◆

  • 赤く腫れるチェリーアイの初期症状とは
  • チェリーアイにストレスは関係するのか
  • 遺伝的になりやすい犬種について
  • チェリーアイを放置するリスク

愛犬の目元に異変が見られたとき、それはチェリーアイのサインかもしれません。

この章では、犬のチェリーアイの原因として考えられる要因や、見逃してはならない特徴的な症状について詳しく解説します。

早期発見と適切な対応が、愛犬の目の健康を守る鍵となります。

赤く腫れるチェリーアイの初期症状とは

犬のチェリーアイは、正式には「第三眼瞼腺逸脱(だいさんがんけんせんいつだつ)」と呼ばれる病気です。

犬の目には上まぶた、下まぶたの他に、目頭の内側に第三眼瞼(瞬膜)という白い膜があります。

この第三眼瞼の内側には涙を産生する重要な腺組織(第三眼瞼腺)が存在し、目の潤いを保つ役割を担っています。

チェリーアイは、この第三眼瞼腺が何らかの理由で反転し、外に飛び出してしまった状態を指します。

最も代表的な初期症状は、その名の通り、目頭にさくらんぼのような赤く丸い腫れものが突然現れることです。

この腫れは、通常、片方の目に発生しますが、両目に同時に、あるいは時期をずらして発生することもあります。

痛みやかゆみを伴うことがあり、犬が前足で目をこすったり、床や家具に顔をこすりつけたりする行動が見られるかもしれません。

また、飛び出した腺が刺激となることで、涙の量が増えたり、黄色っぽい目やにが出たりすることもあります。

症状は数時間で自然に引っ込むこともありますが、一度発症すると再発を繰り返す傾向が強いのが特徴です。

多くの飼い主は、この突然の見た目の変化に驚き、慌てて動物病院を受診します。

犬自身も違和感から落ち着きがなくなることがあるでしょう。

重要なのは、この赤く腫れた塊が単なる「ものもらい」や結膜炎とは異なる、特定の腺組織の脱出であると認識することです。

この症状に気づいたら、自己判断で様子を見るのではなく、できるだけ早く獣医師の診察を受けることが推奨されます。

獣医師は視診によって容易にチェリーアイを診断することができます。

初期段階での適切な対応が、症状の悪化や合併症を防ぐために不可欠なのです。

チェリーアイにストレスは関係するのか

愛犬がチェリーアイを発症した際、飼い主の中には「最近、環境が変わったからストレスが原因だろうか」と考える方もいるかもしれません。

しかし、現在の獣医学的な見解では、犬のチェリーアイの直接的な原因がストレスであるという科学的根拠は確立されていません。

チェリーアイの主な原因は、遺伝的・解剖学的な要因にあると考えられています。

具体的には、第三眼瞼腺を眼窩内に固定している結合組織が先天的に弱い、または欠損していることが根本的な問題とされています。

このため、特に若齢の犬(多くは1歳未満)で、特別なきっかけなく突然発症するケースがほとんどです。

ただし、ストレスがチェリーアイの「引き金」になる可能性を完全に否定することは難しいでしょう。

例えば、犬が極度に興奮したり、他の犬と激しくじゃれ合ったりした際に、物理的な衝撃や血圧の上昇が加わり、もともと弱かった組織が耐えきれずに腺が飛び出してしまう、というシナリオは考えられます。

同様に、強い精神的ストレスが免疫系のバランスを崩し、目周辺の組織の炎症を引き起こしやすくすることで、間接的に発症を助長する可能性もゼロではありません。

しかし、これらはあくまで間接的な要因や誘因であり、根本的な犬のチェリーアイの原因とは言えないのが現状です。

したがって、「ストレスをなくせばチェリーアイが治る」あるいは「予防できる」と考えるのは適切ではありません。

もちろん、犬の心身の健康を維持するためにストレスを管理することは非常に重要ですが、チェリーアイの治療や予防においては、その効果は限定的と言わざるを得ません。

飼い主としては、ストレスの有無に関わらず、チェリーアイは遺伝的素因を持つ犬であれば誰にでも起こりうる病気であると理解し、発症した際には速やかに獣医師に相談することが最も大切な対応となります。

原因をストレスに限定せず、正しい知識を持って病気と向き合うことが、愛犬の健康を守る第一歩です。

遺伝的になりやすい犬種について

犬のチェリーアイは、どんな犬種でも発症する可能性はありますが、特に発症しやすいとされる「好発犬種」が存在します。

これは、前述の通り、犬のチェリーアイの原因が遺伝的な素因、特に第三眼瞼腺を支える結合組織の脆弱性にあると強く考えられているためです。

特定の犬種では、この遺伝的特徴が受け継がれやすい傾向があります。

以下に、チェリーアイになりやすい代表的な犬種を挙げます。

  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • イングリッシュ・ブルドッグ
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ボストン・テリア
  • ペキニーズ
  • シーズー
  • ビーグル
  • ラサ・アプソ
  • グレート・デーン
  • マスティフ

これらの犬種に共通する特徴として、ブルドッグやボストン・テリアのような短頭種(鼻が短い犬種)が多く含まれている点が挙げられます。

短頭種は、その特徴的な頭蓋骨の形状から眼球が突出しがちであり、眼窩(がんか)が浅い傾向にあります。

これにより、第三眼瞼腺が物理的に逸脱しやすいのではないかと考えられています。

また、アメリカン・コッカー・スパニエルやビーグルなども好発犬種として非常によく知られており、これらの犬種では結合組織の弱さが遺伝的に受け継がれている可能性が指摘されています。

発症年齢は1歳未満の若齢犬が圧倒的に多く、これは先天的な要因が強いことを裏付けています。

もし、ご自身の愛犬がこれらの好発犬種に該当する場合、チェリーアイという病気の存在をあらかじめ知っておくことが重要です。

そうすることで、万が一症状が現れた際にも慌てず、冷静に初期対応ができるようになります。

もちろん、好発犬種でないからといって安心できるわけではなく、雑種犬を含め、あらゆる犬に起こりうることを心に留めておくべきです。

遺伝的な素因が強い病気であるため、残念ながら確実な予防法はありませんが、病気について正しく理解しておくことが、早期発見・早期治療につながります。

チェリーアイを放置するリスク

チェリーアイの症状が現れた際、「自然に治るかもしれない」「しばらく様子を見よう」と考えてしまう飼い主もいるかもしれません。

しかし、犬のチェリーアイを放置することは、多くのリスクを伴い、愛犬の目の健康に深刻なダメージを与える可能性があります。

1. 腺組織の機能低下と乾性角結膜炎(KCS)

飛び出した第三眼瞼腺は、常に空気にさらされ、乾燥や刺激を受け続けることになります。

これにより、腺組織は徐々に腫れあがり、うっ血し、炎症を起こします。

この状態が長く続くと、涙を産生するという本来の機能が著しく低下、あるいは永久に失われてしまうことがあります。

第三眼瞼腺は、犬の涙の約30~50%を産生する非常に重要な器官です。

この腺からの涙の供給が減ると、目は潤いを失い、乾性角結膜炎(KCS)、いわゆる「ドライアイ」を発症するリスクが非常に高まります。

ドライアイは、目の表面の慢性的な乾燥と炎症を引き起こし、角膜潰瘍や色素沈着、最悪の場合は失明につながる可能性のある深刻な病気です。

2. 慢性的な結膜炎と感染症

脱出した腺は物理的な異物として目を刺激し続けるため、持続的な結膜炎を引き起こします。

これにより、犬は常に目やにが出たり、目をしょぼしょぼさせたりといった不快な症状に悩まされることになります。

また、炎症を起こしている目の表面はバリア機能が低下しているため、細菌感染を起こしやすくなり、症状がさらに悪化する可能性があります。

3. 犬自身の不快感と行動の変化

人間が目にゴミが入っただけでも強い違和感を覚えるように、犬にとってもチェリーアイは大きな不快感の原因となります。

この不快感から、犬は頻繁に目をこすり、その結果として角膜を傷つけてしまう(角膜潰瘍)危険性があります。

また、慢性的な違和感や痛みは犬にとって大きなストレスとなり、元気や食欲がなくなったり、行動が変化したりすることもあります。

チェリーアイは単なる見た目の問題ではなく、放置することで犬のQOL(生活の質)を著しく低下させ、将来的に治療が困難な合併症を引き起こす危険な状態なのです。

症状に気づいたら、決して放置せず、速やかに動物病院で適切な診断と治療を受けることが、愛犬の目を守るために最も重要なことです。

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犬のチェリーアイの原因を考えた治療法

◆この章のポイント◆

  • チェリーアイの一般的な治し方
  • 点眼に使う目薬での対処法
  • 外科手術の方法と成功率
  • 手術にかかる費用の目安
  • 治療後の再発はありえるのか
  • 犬のチェリーアイの原因を理解し早期治療へ

犬のチェリーアイと診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

この章では、犬のチェリーアイの原因が先天的な構造の弱さにあることを踏まえ、現在主流となっている治療法について具体的に解説します。

内科的なアプローチから外科手術まで、それぞれの方法の目的、メリット、デメリットを理解し、愛犬にとって最適な選択をするための知識を深めましょう。

チェリーアイの一般的な治し方

犬のチェリーアイの治療法は、大きく分けて内科的治療と外科的治療の二つがあります。

どちらを選択するかは、症状の程度、発症からの経過時間、犬の年齢や犬種、そして獣医師の判断によって決まります。

内科的治療

内科的治療は、主に症状が軽度な場合や、ごく初期の段階で試されることがあります。

この治療の主な目的は、飛び出した腺の炎症を抑え、自然に元の位置に戻ることを期待するものです。

具体的には、抗炎症作用のある点眼薬(ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬)や、二次的な細菌感染を防ぐための抗生物質の点眼薬が処方されます。

また、獣医師が綿棒などを使って、飛び出した腺を物理的に押し込んで整復を試みることもあります。

この方法は「用手整復(ようしゅせいふく)」と呼ばれます。

しかし、内科的治療や用手整復は一時的に症状が改善することがあっても、犬のチェリーアイの原因である結合組織の脆弱性が解消されるわけではないため、再発率が非常に高いのが実情です。

何度も再発を繰り返すうちに腺へのダメージが蓄積し、機能不全に陥るリスクもあります。

そのため、内科的治療は根本的な解決策とは言えず、外科手術までの待機期間中の炎症管理や、麻酔のリスクが高い犬に対する対症療法として選択されることが多いです。

外科的治療

チェリーアイの最も根本的で推奨される治し方は、外科手術です。

手術の目的は、飛び出した第三眼瞼腺を涙の産生機能を温存したまま、元の正しい位置に整復し、再発しないように固定することです。

かつては飛び出した腺そのものを切除する手術が行われていましたが、術後に高確率でドライアイ(乾性角結膜炎)を発症することが問題となり、現在では腺を切除する方法は特別な理由がない限り行われません。

現在の主流は、腺を温存する「埋没法(ポケット法)」や「固定法」といった術式です。

これらの手術は、チェリーアイの根本原因にアプローチするため、成功すれば再発のリスクを大幅に減らすことができます。

全身麻酔が必要となりますが、若齢で健康な犬であれば、一般的に安全に実施できます。

結論として、チェリーアイの一般的な治し方としては、外科手術が第一選択となります。

内科的治療はあくまで一時的な対処療法と位置づけられ、長期的な目の健康を考えると、早期の外科的整復が最も有効な解決策と言えるでしょう。

点眼に使う目薬での対処法

チェリーアイと診断された際、多くのケースでまず処方されるのが点眼薬(目薬)です。

しかし、目薬だけでチェリーアイが完治するのかというと、残念ながら答えは「ノー」です。

点眼治療の役割と限界を正しく理解しておくことが重要です。

点眼治療の目的

点眼薬を使用する主な目的は、以下の2点です。

1. **炎症の抑制**: 逸脱した第三眼瞼腺は、外部の刺激にさらされることで炎症を起こし、赤く腫れあがります。この炎症を抑えるために、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が含まれた点眼薬が用いられます。炎症が和らぐことで、犬の不快感が軽減され、腺組織が自然に元の位置に戻りやすくなる環境を整える効果が期待されます。

2. **二次感染の予防**: 炎症を起こした目の表面は、細菌に対する抵抗力が落ちています。そこから細菌が感染し、化膿性の結膜炎などを併発するのを防ぐために、抗生物質入りの点眼薬が処方されます。

点眼治療の限界

点眼治療は、あくまで症状を緩和し、悪化を防ぐための「対症療法」です。

犬のチェリーアイの原因である「第三眼瞼腺を支える組織の弱さ」を根本的に解決するものではありません。

そのため、以下のような限界があります。

  • **完治はしない**: 目薬で炎症が引いて一時的にチェリーアイが引っ込んだとしても、根本原因が残っているため、ほとんどのケースで再発します。
  • **長期使用のリスク**: 特にステロイド系の点眼薬を長期間使用すると、副作用のリスク(角膜への影響など)が懸念されます。獣医師の指示通り、適切な期間と回数を守ることが不可欠です。
  • **時間経過による腺へのダメージ**: 点眼治療で様子を見ている間にも、逸脱している腺組織への血流障害や乾燥によるダメージは進行します。長期間放置すれば、たとえ手術で整復しても涙の産生機能が回復しない可能性があります。

つまり、目薬は外科手術を行うまでの間の症状管理や、ごく軽度で自然に出入りしているようなケースでの一時的な対処法と考えるべきです。

獣医師から目薬を処方された場合は、その目的をしっかりと確認し、指示に従って点眼を行うことが大切です。

そして、根本的な解決のためには外科手術が必要であることを念頭に置き、獣医師と今後の治療計画についてよく相談することが、愛犬の目の健康を守る上で最適な選択となります。

外科手術の方法と成功率

犬のチェリーアイに対する最も効果的で根本的な治療法は、外科手術です。

手術の目的は、涙の産生機能を担う重要な第三眼瞼腺を温存しながら、解剖学的に正しい位置へ戻し、再び逸脱しないように固定することです。

現在、主流となっている手術方法は主に以下の2つです。

1. ポケット法(埋没法、モーガン法)

これは、現在最も広く行われている術式の一つです。

第三眼瞼の裏側の結膜を2ヶ所切開し、逸脱した腺を包み込むようにポケット状のスペースを作ります。

そのポケットの中に腺を優しく収め、切開した部分を吸収糸(自然に溶ける糸)で縫合して蓋をします。

この方法の利点は、腺そのものに針や糸を通さないため、腺組織へのダメージが少なく、生理的な状態に近い形で温存できることです。

比較的シンプルで実施しやすく、多くの獣医師が採用しています。

2. アンカー法(固定法)

この術式は、逸脱した腺を眼窩(目の骨)の縁にある骨膜や周囲の組織に、糸を使って固定する方法です。

腺が本来あるべき深い位置にしっかりと固定されるため、物理的に逸脱しにくくなります。

ポケット法で再発してしまった症例や、腺の腫れが著しい場合などに選択されることがあります。

ポケット法に比べてやや手技が複雑になる場合がありますが、強固な固定が期待できます。

手術の成功率

これらの腺を温存する外科手術の成功率は、一般的に非常に高いとされています。

報告によって多少の差はありますが、適切な術式で行われた場合、約90~95%以上の確率で再発を防ぐことができると言われています。

ただし、成功率は犬の状態や獣医師の技術にも左右されます。

例えば、発症から長期間が経過し、腺の腫れや炎症が重度になっている場合は、術後の合併症や再発のリスクが若干高まる可能性があります。

また、ブルドッグなどの短頭種は、解剖学的な構造から他の犬種に比べて再発率がやや高い傾向にあるとも言われています。

手術は全身麻酔下で行われ、手術時間自体は通常30分~1時間程度です。

術後は、エリザベスカラーを装着して目をこすらないように保護し、処方された点眼薬や内服薬で炎症や感染をコントロールします。

ほとんどの場合、日帰り手術が可能ですが、病院の方針や犬の状態によっては短期の入院が必要になることもあります。

愛犬の手術を検討する際は、獣医師から具体的な術式、成功率、リスクについて十分に説明を受け、納得した上で治療を進めることが大切です。

手術にかかる費用の目安

犬のチェリーアイの治療で外科手術を選択する際、飼い主にとって最も気になることの一つが費用でしょう。

手術費用は、動物病院が自由診療であるため、病院の所在地、設備、規模、獣医師の経験などによって大きく異なります。

また、犬の体重や年齢、健康状態によっても麻酔のリスクや費用が変わってきます。

ここでは、一般的な費用の目安と、その内訳について解説します。

手術費用の総額目安

チェリーアイの手術(片目)にかかる費用の総額は、おおよそ **3万円から10万円程度** が一般的な相場とされています。

この金額には、通常、以下の項目が含まれています。

  • **術前検査費**: 安全に全身麻酔をかけるため、手術前には血液検査やレントゲン検査、心電図検査などが行われます。これにより、麻酔に耐えられる健康状態であるかを確認します。費用は5,000円~20,000円程度です。
  • **麻酔料**: 全身麻酔の費用です。犬の体重によって使用する麻酔薬の量が変わるため、大型犬ほど高くなる傾向があります。費用は10,000円~30,000円程度です。
  • **手術料**: 執刀そのものにかかる技術料です。術式(ポケット法、アンカー法など)によって多少変動することがあります。費用は15,000円~50,000円程度です。
  • **術後処置・内服薬・点眼薬**: 手術後の痛み止めや抗生物質の内服薬、炎症を抑える点眼薬などの費用です。エリザベスカラー代が含まれることもあります。費用は5,000円~10,000円程度です。
  • **その他**: 診察料や再診料、抜糸が必要な場合は抜糸料などが別途かかる場合があります。日帰りではなく入院した場合は、入院費も加算されます。

両目を同時に手術する場合、費用は片目の1.5倍から2倍弱になることが一般的です。

麻酔や検査は一度で済むため、単純に2倍にはならないことが多いです。

ペット保険の適用について

犬のチェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)は、病気(疾患)に分類されるため、**ペット保険の補償対象となる**のが一般的です。

ただし、保険に加入する前にすでにチェリーアイの症状が出ていた場合や、加入後の待機期間中に発症した場合は、補償の対象外となることがあります。

また、保険プランによっては補償割合や年間の利用限度額、1日あたりの限度額などが定められています。

ご自身の加入しているペット保険の契約内容を事前に確認し、補償範囲や請求方法について把握しておくと安心です。

手術を検討する際は、必ず事前に動物病院から詳細な見積もりをもらい、費用に含まれる項目をしっかりと確認することが大切です。

費用について不明な点があれば、遠慮なく獣医師に質問し、納得のいく形で治療を進めましょう。

治療後の再発はありえるのか

チェリーアイの外科手術は非常に成功率の高い治療法ですが、残念ながら「100%再発しない」と断言することはできません。

適切な手術を受けた後でも、稀に再発する可能性があります。

治療後の再発について、その原因や確率、そして再発した場合の対処法を理解しておくことは、飼い主の心の準備として重要です。

再発の確率

前述の通り、ポケット法やアンカー法などの腺温存手術による再発率は低く、一般的には**5~10%未満**とされています。

しかし、いくつかの要因によって、この確率は変動する可能性があります。

  • **犬種**: ブルドッグやマスティフなどの特定の犬種では、解剖学的な特徴から他の犬種よりも再発率がやや高い傾向にあるという報告もあります。
  • **発症からの期間**: チェリーアイを発症してから手術までの期間が長く、腺の腫れや変性が重度であるほど、術後の組織の治癒がうまくいかず、再発のリスクが高まる可能性があります。
  • **術後の管理**: 手術後に犬が目をこすってしまい、縫合した糸が切れたり緩んだりすると、再発の原因となります。エリザベスカラーの適切な装着など、術後のケアが非常に重要です。

再発の原因

再発が起こる主な原因としては、以下のようなものが考えられます。

1. **縫合糸の問題**: 縫合した糸が術後に切れたり、緩んだり、ほどけてしまったりすることで、固定していた腺が再び飛び出してしまうケースです。術後に目をこすることが最大の原因となります。

2. **不十分な整復**: 手術時に腺の固定が不十分であったり、ポケットの作成が浅かったりした場合に起こる可能性があります。

3. **根本的な組織の脆弱性**: 犬のチェリーアイの原因である、もともとの結合組織の弱さが極端に強い場合、一度は整復しても、周囲の組織が伸びてしまい、再び逸脱してしまうことがあります。

再発した場合の対処法

もし手術後にチェリーアイが再発してしまった場合は、まず手術を行った動物病院に連絡し、診察を受けてください。

再発した場合でも、再度手術(再手術)を行うことで整復することが可能です。

再手術では、前回と同じ術式、あるいはより強固な固定が期待できる別の術式(例:アンカー法)が選択されることがあります。

再手術の成功率も一般的には良好ですが、初回の手術よりも癒着などで組織が硬くなっている場合があり、手技がやや難しくなることもあります。

チェリーアイの再発は飼い主にとって精神的な負担が大きいものですが、決して珍しいことではありません。

万が一再発しても、落ち着いて獣医師と相談し、愛犬にとって最善の治療法を再度検討することが大切です。

犬のチェリーアイの原因を理解し早期治療へ

この記事を通じて、犬のチェリーアイの原因から症状、そして具体的な治療法に至るまで、多角的に解説してきました。

愛犬の目元に突然現れる赤い腫れ物は、飼い主にとって大きな不安の種ですが、病気について正しく理解することで、冷静かつ適切な対応が可能になります。

最後に、この記事の要点を改めてまとめます。

犬のチェリーアイの原因は、ストレスや外傷ではなく、主に第三眼瞼腺を支える結合組織の先天的な脆弱性という遺伝的素因によるものです。

そのため、アメリカン・コッカー・スパニエルやブルドッグなどの特定の犬種で発症しやすく、多くは1歳未満の若齢期に突然症状が現れます。

初期症状は、目頭にさくらんぼのような赤い腫れ物が見られることで、涙や目やにの増加、目をこするしぐさを伴うこともあります。

この症状を放置すると、涙の産生機能が低下してドライアイ(乾性角結膜炎)になったり、慢性的な結膜炎や角膜潰瘍を引き起こしたりと、犬の視力や生活の質に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。

治療法としては、点眼薬による内科治療は一時的な炎症抑制にとどまり、根本的な解決にはなりません。

最も推奨される治療法は、涙腺を温存して元の位置に戻す外科手術であり、成功率は90%以上と非常に高いです。

手術費用は病院や犬の状態によって異なりますが、3万円から10万円程度が目安となり、ペット保険の適用対象となる場合が多いです。

稀に再発することもありますが、その場合でも再手術によって対応が可能です。

最も重要なメッセージは、チェリーアイの症状に気づいたら、決して自己判断で様子を見たり放置したりせず、できるだけ早く動物病院を受診することです。

早期に適切な治療を開始することが、合併症を防ぎ、愛犬の目の健康を生涯にわたって守るための最善の策となります。

愛犬の小さなサインを見逃さず、正しい知識を持って、大切な家族の一員である愛犬の健康を支えていきましょう。

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本日のまとめ

  • 犬のチェリーアイは第三眼瞼腺が飛び出す病気
  • 主な原因は先天的な結合組織の弱さ
  • ストレスが直接の原因であるという証拠はない
  • ブルドッグやビーグルなどが好発犬種
  • 初期症状は目頭のさくらんぼ状の赤い腫れ
  • 放置するとドライアイや結膜炎のリスクがある
  • 根本的な治し方は外科手術が第一選択
  • 目薬は炎症を抑える対症療法
  • 手術は涙腺の機能を温存する方法が主流
  • 手術の成功率は90%以上と高い
  • 手術費用は3万円から10万円が目安
  • ペット保険の対象となることが多い
  • 術後に稀に再発する可能性もある
  • 再発した場合も再手術で対応可能
  • 症状に気づいたら速やかに動物病院へ

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参考サイト
犬のチェリーアイ|なりやすい犬種や原因、治療法を獣医師が解説 – PETOKOTO
犬のチェリーアイ|症状や原因、かかりやすい犬種や治療法など徹底解説!【獣医師監修】
犬のチェリーアイの症状・原因と治療法について獣医師が解説 – 価格.com
犬のチェリーアイ、原因や症状、治療法について解説|アクサダイレクト
【獣医師監修】犬のチェリーアイとは?原因や治療法などを解説|いぬのきもちWEB MAGAZINE

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